防災イベント「みんなの防災フェスタ」が12月7日、東白鬚(ひがししらひげ)公園(墨田区堤通2)多目的広場で行われた。主催は東白鬚公園サービスセンター。
白鬚東地区は大規模地震発生時の被害リスクが高い地域とされており、同センターが住民に「自助」「共助」「公助」を体験的に学んでもらうことを目的に企画したもの。地震体験や初期消火体験、AED体験、煙体験のほか、警察車両・消防車の展示、給電車両の紹介、園内の防災設備見学など多彩なプログラムを用意した。
当日は約250人が来場し、住民団体による協力ブースも設けた。このうち、地域団体「ハッピースマイル」が出展した新聞紙工作と防災クイズくじ引きには子どもから大人まで長い列ができた。新聞紙で皿やスリッパを作る工作コーナーには約150人が参加し、子どもが大人に折り方を教える姿も見られるなど、多世代で防災スキルを学ぶ場になった。
墨田区防災課が提供した防災食を賞品としたくじ引きでは、クイズに正解すると参加できる仕組みを採用。会場内にはヒントカードを配置し、他の体験ブースへの回遊にもつながった。
会場運営には小学生から大学生まで約20人のボランティアが参加し、案内や説明、工作サポートなどを担当。山本亨区長らも会場を訪れ、ブースを回りながら来場者に声をかけた。
来場者からは「新聞紙がこんなに実用的に使えるとは知らなかった」「学生のお兄さんお姉さんに教えてもらえて子どもが喜んでいた」「体験が多く、防災が身近に感じられた」などの声が聞かれた。
ハッピースマイル代表の皆川未来さんは「幅広い世代が自然に声を掛け合い、助け合う姿が多く見られ、『地域でつくる防災』の可能性を改めて実感した」と話す。「学生スタッフが準備から当日の運営、片付けまで主体的に動いたことで温かい交流が生まれた。シニアからは『若い子たちから元気をもらえた』という声もあり、世代を超えたつながりの価値を感じた。新聞紙工作の人気から、防災スキルへの関心の高さも分かった。今後も世代を超えて笑顔がつながる場づくりを続けたい」と振り返った。