墨田・八広の町工場でワークショップ-子どもたちが「ものづくり」体験

機械加工の基本である「バリ取り」の大切さを学ぶ子供たち。

機械加工の基本である「バリ取り」の大切さを学ぶ子供たち。

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 プレス加工・板金の浜野製作所(墨田区八広4)で3月24日、工場見学と「配財」を使った「ものづくり」を体験できるワークショップが開かれた。

穴の内側にネジの溝を刻む「タップ」作業も体験。

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 同社は、工場の製造過程で発生する「廃材」をポジティブな発想でエコ・リサイクルする「配財プロジェクト」の賛同企業。「ファクトリー」と「ミュージアム」の2つの要素から「ファクトリアム」と名付けられた今回の企画には、事前に申し込みのあった(小学4年生以上)10組が参加した。

 浜野慶一社長は「子どもたちにものづくりの楽しさを体験してもらうのが目的だが、こちらも教える側に立つことであらためて見えてくるものにも期待している。案内・指導役に、普段は教わる立場にある経験の浅いスタッフをあえて起用したのもそのため」と趣旨を話す。

 当日、参加者は2班に分かれて工場内を移動。金型を使って金属板をプレス加工する機械や、レーザー加工機による穴あけ作業を見学した。その後、それぞれの名前がくりぬかれた「配財」プレートを手に、オリジナルのキーホルダー作りに挑戦。材料を削った際にできる出っ張りをヤスリで滑らかにする「バリ取り」や、穴の内側にネジの溝を刻む「タップ」作業を体験した。同じ板金加工フロアで溶接の仕組みについても学び、その実演を見学。現場で指導に当たった佐々木涼子さんは「女の子の参加者が多くてうれしい。機械加工の基本であるバリ取りの大切さを、実際に手で触って実感してもらえたのでは」と話す。溶接を担当した部門責任者の豊嶋三男さんも「何年か先、今日の参加者の中から製造業に携わる仕事に進む人が出てくるかも」と期待を寄せる。

 画用紙の上にさまざまな形の「配財」を置いて自由にペイントするスプレーアートも実践。参加者のほとんどが初めて手にするスプレーで、色とりどりの模様作りを楽しんだ。

 「ファクトリウム」担当の藤林豊典さんは「会社として初めての試みだったが、面白かったという参加者の声が聞けて満足している」と振り返った。「ぜひ今後もこうした機会を増やしていきたい」とも。

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