東京スカイツリータウン「すみだ水族館」(墨田区押上1)で1月16日、第9回「オリックス マネー川柳」受賞句の発表会が行われた。
同館運営会社が所属するオリックスグループ主催の「マネー川柳」は2004年に開始。2012年は計7万3489句が寄せられ、そのうちインターネットからが70.8%、携帯・スマートフォンが8.6%、フェイスブックが1.6%を占めた。はがきでの応募は年々減少しているという。
会場には、選者である川柳家の尾藤一泉さんとゲストでモデルの中村アンさんが登場。「川柳にはあまり詳しくない」という中村さんの発言を受け、尾藤さんからその歴史や作句のポイントについての説明があった。
今回の応募句の傾向としては、「増税などに対する不安を反映した句も多かったが、ノーベル賞のiPS絡み、不況に立ち向かう前向きな作品もあった。オリンピックや金環日食のあった年らしく金もキーワードだった」と尾藤さん。
グループ賞を受賞した5句は、オリックス生命賞が「親のスネ iPSで 直したい」瀬戸ピリカさん(神奈川・40代・女性)、オリックス銀行賞が「ままごとも パパの小遣い 2万円」まこパパさん(埼玉・30代・男性)、オリックス・クレジット賞が「好景気 知らぬ子どもが もう二十歳」赤とんぼさん(静岡・60代・男性)、オリックス自動車賞が「白馬より 低燃費車の 王子様」makotocyanさん(神奈川・20代・女性)、オリックス不動産賞が「借金が ワイルドだろう この国は」ちゅら島太郎さん(静岡・50代・男性)だった。
ペンギン2羽も同席して発表された大賞に選ばれたのは、チェコバンクさん(熊本県・40代・男性)の「総理の座 程にお金が 回らない」。尾藤さんは選定評について「生徒会長のように毎年くるくる変わる総理と、長引く経済不況で停滞するお金、この2つのモチーフの対比が『回らない』という下の句によって日本の今の状況を見事に描き出した。わずか17音に託された表現の深さを感じる」とコメントした。