東向島の「セイコーミュージアム」(墨田区東向島3)で4月16日、初めての企画展が「セイコーの腕時計100年」をテーマに始まった。
セイコーホールディングスが運営する同ミュージアムは1981(昭和56)年設立の「セイコー時計資料館」が前身。昨年4月に大幅なリニューアルを行い、時と時計の進化・セイコー製品史・スポーツ計時機器・和時計などの常設展を行ってきた。
同社が1913(大正2)年に国産初の腕時計「ローレル」を発売してから100年目に当たることを記念して開く同展は、2期にわたって来年3月30日まで開催。第1期のサブテーマは「時代の一歩先」で、先端技術と匠(たくみ)の技で日本初・世界初を生み出してきた同社の歴史を代表的な製品を通して紹介する。
会場は2階ウオッチコーナー。懐中時計が主流の時代に、腕に着ける画期的な時計となった「ローレル」の実物を1916(大正5)年発行の「大阪三越百貨店」発行のカタログなどと一緒に展示しているのをはじめ、年代順に展開。1963(昭和38)年から参加した、メカ時計の精度を競うスイスの「天文台コンクール」出品モデルのコーナーでは、当時の「第二精工舎(現セイコーインスツル)」と「諏訪精工舎(現セイコーエプソン)」それぞれから出展した実機に加え、1968(昭和43)年に世界一となった整備士のインタビュー映像も見ることができる。そのほか、世界初のクオーツ腕時計「クオーツアストロン」(1969年)の横に、その10年ほど前に放送局に収めた高さ2.1メートルの巨大なクオーツ時計の模型を配置し、体積比で8万分の1の小型化を実感できるなど、展示には随所に工夫を凝らしている。
アメリカの研究機関などのテストを経て国際宇宙ステーションに運ばれ、後に宇宙遊泳でも使用された「スペースウォーク」(2008年)、地球上の全39のタイムゾーンのどこにいても現在地の時刻を正確に表示する世界初のGPSソーラーウオッチ「アストロン」(2012年)、昨年12月に銀座和光で開催した、同社デザイナーによる展覧会「Seiko Design Project」に出展された未来の時計「トキノグラス」など、最新技術も紹介。
第1期は10月27日まで。第2期は「すべての人に」をサブテーマに10月29日から開催予定。
開館時間は10時~16時。入館無料。