京島「下町人情キラキラ橘商店街」周辺で「まちなか演劇」-地元アイドルとのコラボも

夕暮れの「マンモス公園」で滑り台の上に立って歌い出す役者と、その場に居合わせた小学生たち。

夕暮れの「マンモス公園」で滑り台の上に立って歌い出す役者と、その場に居合わせた小学生たち。

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 東武・京成の曳舟駅に近い「下町人情キラキラ橘商店街」(墨田区京島3)周辺で2月1日、京都を拠点とする演劇カンパニー「マレビトの会」の公演「N市民 稲光は東京スカイツリーに兄のファルスを見た -上演(4)」が行われた。

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 同作品は、同劇団が昨年5月から「マレビト・ライブ」と題して、京都市内のさまざまな場所を舞台に上演してきたシリーズの続編。観客はツイッターやブログによる事前予告で地図やスケジュール表を入手し、当日その場所に足を運び、現実の空間で繰り広げられる虚構のドラマを観劇する。予約などは必要なく無料で見られるがが、電車内が舞台の場合は乗車券、喫茶店などの場合は飲食代が、それぞれ別途必要となる。

 墨田区内を舞台にした「東京編」は、東武亀戸線と東向島珈琲店(1月28日)、京成橋(同29日)での上演に続くもので、1日が最終日。今回は「キラキラ橘商店街」周辺の4カ所で、進行する物語を自由に回って観劇する。

 放課後の小学生が遊ぶ「マンモス公園(京島南公園)」では、滑り台の上に立って歌い出す役者を児童たちが興味津々に眺める光景が見られたり、民家の室内を舞台にしたシーンでは、ドラマが始まる瞬間まで誰が役者なのか観客なのかもわからなかったりする面白さもあった。

 商店街の「おやすみ処 橘」では、同所で歌やダンスの練習に励みながら地域活性化のためにPR活動を続けているご当地アイドル「キューピッドガールズ」と、劇中の主人公・緑下稲光が絡むシーンがあり、多くの見物客でにぎわいを見せた。

 同劇団を主宰する劇作家の松田正隆さんは「劇(ドラマ)とは何かを模索するため、あらかじめ劇的である装置にまみれた既存の劇場を離れ、私たちのこの現実にドラマが生まれる可能性のある場所を移し、その劇が立ち現れるのか、あるいは立ち現れないのかを注視することが、マレビト・ライブの目的の一つ」と話す。

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