墨田・石原に糸や生地を素材としたものづくり支援シェアファクトリー「nuuiee（ヌーイー）」（墨田区石原3、TEL 050-3496-7963）がオープンして半年が過ぎた。1929（昭和4）年創業の老舗縫製メーカー「小倉メリヤス製造所」（同）が運営する。

nuuieeフリースペース

　これまでベビー服や子ども服をメインにアパレル企業のOEM生産縫製工場として事業を展開していた同社だが、数年前から個人の問い合わせも増えていた。オーダーの量的な問題で、相談は受けても応えられない状況だったという。

　同所にあった工場を栃木県内に移したことをきっかけに、ファッションプロダクトのノウハウと設備を提供することを企画。墨田区の補助金を利用し、2階に同社の営業や本社機能を置き、1階を「ものづくりの場所」として、プロ・アマを問わず、ものづくりをトータルに支援するシェアファクトリーを開設した。

　1階にはデジタル刺しゅう機やレーザー加工機、昇華プリントなど、個人では用意できないプロ用機械があり、講習を受け（一部有料）、施設使用料を支払うことで利用できる。生地や付属品などのサンプル帳を利用でき、かつ小ロットでの購入も可能。

　半年が過ぎた現在、個人の趣味としての利用だけでなく、クラフト作家の利用も増加。今では文化服装学院や日本工業大学生活環境デザイン学科・建築学科の生徒たちも見学に訪れている。
クッションを作るなどのワークショップも開いている。

　同社の小倉大典社長は「ものを作る楽しさ、喜びを提供することで、繊維の墨田として活気のあったころに少しでも近づきたい。ものづくりの墨田をアピールしていきたい」と話す。

　営業時間は9時～19時（土曜は18時30分まで）。日曜・祝日定休。会員登録費は、一般＝1,000円、学生無料。施設利用料は、日額会員＝15分250円～、月額会員＝一般1万2,000円・学生＝8,000円。機械講習料はデジタル刺しゅう機3,000円ほか。