今年で開館15周年を迎える「すみだトリフォニーホール」(墨田区錦糸1)で3月9日、「すみだ平和祈念コンサート2012」が開かれる。
1945(昭和20)年3月10日未明の東京大空襲で大きな被害を受けた墨田区では、毎年3月に平和祈念行事を開催している。同ホールと同ホールを本拠地とする新日本フィルハーモニー交響楽団もこれまで、祈念コンサートを定期的に演奏してきた。今年は「1945年、そして2011年-3月、あの日を忘れない」をテーマに、東日本大震災で犠牲になった人々を弔うと共に被災地復興の祈りも込めて開催する。
指揮は、2010年に同楽団との共演で日本デビューを飾りクラシック・ファンの話題を集め、3月2日・3日の定期演奏会での客演も待たれるフランス生まれのジャン=クリストフ・スピノジさん。今回の公演の趣旨に賛同し、プログラムも共に選曲したという。
演奏するのは、追悼曲の代名詞として知られ、欧米の映画やテレビドラマで使用されることも多いバーバーの「弦楽のためのアダージョ」、旧ソ連時代「ファシズムと戦争の犠牲者の思い出に」ささげられたショスタコーヴィチの楽譜を基にした「室内交響曲」、フォーレの名高いレクイエム(鎮魂曲)。
開演は19時。入場料は、S席=7,000円、A席=6,000円、B席=5,000円。墨田区在住・在勤・在学者には割引チケットも用意する。購入者は3月7日15時30分から行われる「フォーレ:レクイエム」の公開リハーサル(オーケストラのみ)も観覧できる。