「東京スカイツリー地区」の地域冷暖房(DHC)事業を手掛ける「東武エネルギーマネジメント」(墨田区向島1)は、施設内の大容量水蓄熱槽・保有水最大約7000トンを、地震などの災害時における被災者の生活用水として墨田区に提供する協定を、同区と3月8日に締結した。
同地区のDHC事業は、地下に設置した大型熱源機器を夜間電力により稼働させ、夏季は5度の冷水、冬季は48度の温水を製造して大容量水蓄熱槽に蓄え翌日の冷暖房として使用する仕組みで、昼間の電力使用量を抑えることを目的としたもの。夏は外気温より低く冬は高い地中熱の性質を生かしたシステムを採用することで、省エネルギー・省CO2とヒートアイランド制御効果を目指している。
同保有水の約7000トンは、標準的な25メートルプールに換算して 約17杯分、200リットルのドラム缶換算では約3万5000本分となり、1日に成人が使う生活用水を1人あたり約30リットルとすると約23万人分の量となる。災害時には墨田区手配の給水タンク搭載トラックを「東京スカイツリータウン」地下1階駐車場に停車させて給水を行い、被災者の避難場所などに移動して、トイレ洗浄や手洗い用に水を配る計画。
火災発生時には消火活動にも優先して使用する。
協定期間は3月8日より1年間で以後は自動更新される。