特集

すみだ経済新聞インタビュー
「すみだ活性化のキーパーソンが語る墨田と私」
菊池和貴さん(中編)

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トピック5: 結婚と子どもがもたらした生活の転機


すみだ経済新聞:菊池さんにとって結婚や子どもの誕生はどのような転機になりましたか?

菊池さん:26歳のときに結婚して、その後子どもが生まれたことが大きな転機でしたね。それまでいろいろな仕事を転々としていたんですが、家を購入したのがきっかけで結婚することになりました。実は共同名義でしかローンが通らなかったので、結婚するしかなかったんです(笑)。

すみだ経済新聞:いわゆる「買っちゃった結婚」ですね。その後、どのように生活が変わりましたか?

菊池さん:当初は余裕のある生活をしていましたが、子どもが生まれる少し前に妻が仕事を辞め、一人の収入になったとき、「これは厳しい」と感じました。子どもの将来を考えると、もっと収入が必要だと思い、副業を始めることにしました。

すみだ経済新聞:副業を始めるきっかけは、やはり経済的な理由が大きかったのでしょうか?

菊池さん:そうですね。でも、単純にお金を稼ぐだけではなく、時間を有効に使いたいという思いもありました。それまでの自分は「24時間をいかに大事に生きるか」という考えでしたが、子どもが生まれたことで「生活を守る」という責任感が加わったんです。それで副業を始め、空いた時間で収入を得る工夫をするようになりました。

すみだ経済新聞:具体的にはどのような副業を始められたのですか?

菊池さん:最初はサイト作りやYouTubeに手を出しました。ただし、お金をかけずにできることを徹底してやりました。他人の意見に頼らず、自分で試したことだけを信じて進めるようにしていました。その結果、うまくいくものもあれば、やってみて「違うな」と感じるものもありましたが、すべて良い経験でした。

すみだ経済新聞:その経験が現在の菊池さんの活動につながっているんですね。

菊池さん:はい。結婚や子どもの誕生をきっかけに、時間の使い方や仕事への向き合い方が大きく変わりました。生活を守りながらも、自分らしい生き方を追求するスタイルが今の自分を形作っています。


トピック6: 副業の挑戦と継続する姿勢


すみだ経済新聞:副業を始める際に、どのようなスタンスで取り組まれていたのですか?

菊池さん:とにかく「お金をかけないでできることをやる」というのが基本でした。お金をかけたものは失敗したときのダメージが大きいですし、何よりもリスクを最小限にしたかったんです。そして、他人の意見に頼らず、自分で試したことだけを信じて進めるという姿勢を徹底しました。

すみだ経済新聞:具体的には、どのような取り組みをされたのですか?

菊池さん:最初はサイト作りを始め、その後YouTubeにも挑戦しました。他にもいろいろなことに手を出してみたんですが、どれも「これなら自分でもできる」という基準で選んでいました。やってみて「違うな」と感じたこともありましたが、すべてが経験として活きています。

すみだ経済新聞:挑戦したものを辞めることなく続けているというのは素晴らしいですね。

菊池さん:ありがとうございます。実は、一度手をつけたものを完全にやめたことはないんです。継続していく中で、時間をかける優先度を変えることはありますが、辞めるという選択肢は基本的に考えません。何かしらの形で繋がっていくものが多いですからね。

すみだ経済新聞:副業を続ける中で、特に成功したと感じることは何でしょうか?

菊池さん:一番大きいのは、様々な副業を通じて得たスキルが、他の活動やビジネスに応用できる点です。例えば、サイト作りの知識は自分のビジネスのプロモーションに役立っていますし、YouTubeの経験は地域活動での発信力向上に活かされています。

すみだ経済新聞:多くの挑戦が今の活動に繋がっているのですね。副業から得られたもので、特に印象に残っていることはありますか?

菊池さん:そうですね。「自分で試して得た知識や経験」というのは、他人の助言以上に説得力を持っています。それが自信にも繋がりますし、結果として信頼を得ることにも繋がっています。こういった経験は何よりも価値があると感じています。

すみだ経済新聞:挑戦し続ける姿勢が、現在の菊池さんを支えているんですね。

菊池さん:はい。どんな挑戦も無駄にはならないというのが、これまでの経験から得た教訓です。挑戦し続けることで、未来の可能性を広げていきたいと思っています。


 


トピック7: 地域コミュニティサイトの構想と課題


すみだ経済新聞:まず、地域コミュニティサイトを立ち上げようと思ったきっかけについて教えてください。

菊池さん:きっかけは、メタ(Facebook)に依存するビジネスのリスクを感じたことです。Facebookだけに頼り続けるのは危険だと思いまして。だから、自分たちのホームページを作ろうと考えたんです。最終的にはFacebookがなくてもやっていける形にするために、地域密着型のメディアサイトを立ち上げたいと思いました。

すみだ経済新聞:なるほど。そのサイトにはどんな機能や要素を取り入れたいと考えていますか?

菊池さん:地元の色を全面に出したサイトにしたいと思っています。たとえば、フリーマーケット的な機能やECサイトとしての役割、さらには求人情報など、地域で必要とされるものを全部詰め込もうと考えています。投稿機能も付けて、住民から面白いコンテンツが集まるようにしたいんです。

すみだ経済新聞:非常に多機能な構想ですね。その運営資金についてはどう考えていますか?

菊池さん:そこが一番の課題でしたね。ただ、お店から直接お金をもらう形にはしたくないんです。それよりも、大手メディアや行政とコラボして資金を集めたい。具体的には、バナー広告収入や行政からの業務委託などの形を考えています。

すみだ経済新聞:地元の店舗や住民にとっても、魅力的な構想ですね。

菊池さん:はい。どんな小さなお店でも無料で掲載できる仕組みを目指しています。それでいて、サイト全体としての価値を高め、行政や大手企業からの支援を受けることで持続可能にするのが理想です。

すみだ経済新聞:リスク管理と地域密着の両立を目指した形ですね。このサイトが完成したら、どんな風に地域に影響を与えるとお考えですか?

菊池さん:地元の人がこのサイトを利用することで、「ここに行けば何でも分かる」という拠点になればいいなと思っています。そして、地域のつながりが強化され、結果として街全体が活気づくことを目指しています。


トピック8: 墨田区での地域活動と「墨田区100人カイギ」


すみだ経済新聞:墨田区での活動について、特に「100人カイギ」について教えてください。どのような経緯で関わるようになったのでしょうか?

菊池さん:最初のきっかけは、墨田区で行ったSNSセミナーでした。その場で、山口亮(まこと)さんが「墨田区で子どもたちが集まれるような活動をしたい」と相談してきたんです。ただ、その時に私は「現状では難しい」と率直に伝えました。今の時代、親が知らない人のところに子どもを行かせるのはハードルが高いですからね。

すみだ経済新聞:厳しい指摘だったんですね。

菊池さん:そうですね。でも、それがきっかけで亮さんは「じゃあ、まず大人同士の信頼を築ける場を作ろう」と考えて、「100人会議」という形を始めたんです。その後、誠さんから「ぜひ手伝ってほしい」と依頼されて、第1回から関わることになりました。

すみだ経済新聞:100人カイギでは、具体的にどのような役割を担っていたのでしょうか?

菊池さん:基本的には裏方です。亮さんが目立たない形で進めたいという意向だったので、私も表に出ることは控えていました。会議中はカメラを持って撮影したり、運営をサポートする立場でしたね。でも、その中で得られるつながりや発見は非常に多かったです。

すみだ経済新聞:その繋がりとは、具体的にどのようなものですか?

菊池さん:たとえば、100人カイギに参加することで、普段は出会えないような人たちと知り合えました。地域のさまざまな分野で活動している方々との繋がりが増え、自分自身の視野が広がったのを感じます。また、活動を通じて、私が関わっている「墨田区いいね」のフォロワー数も増加し、地域の認知度向上にも繋がりました。

すみだ経済新聞:墨田区以外での活動もされているとお聞きしましたが、どのような取り組みがありますか?

菊池さん:はい。墨田区だけでなく、葛飾区でも「葛飾会議」という活動に関わっています。こちらはすでに7年続いており、第104回を迎えるほどです。100人会議ほど大規模ではありませんが、メンバー同士の繋がりが深く、地域の人々と密な関係を築ける場になっています。
すみだ経済新聞:地域活動を通じて、どのような変化を感じますか?

菊池さん:地域の課題や可能性が、活動を通じて見えるようになりました。また、地域の人々と直接的な繋がりを持てることで、墨田区や葛飾区がさらに魅力的な場所になる可能性を強く感じています。


インタビュー:長尾 円
撮影:宮脇 恒

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