見る・遊ぶ

文花でナイトイベント 「ほっこり心地よく」テーマに千葉大大学院生が企画

あずま百樹園で行われたナイトイベント。来場者が思い思いの時間を過ごした

あずま百樹園で行われたナイトイベント。来場者が思い思いの時間を過ごした

  • 0

  •  

 ナイトイベント「冬のHygge(ヒュッケ)な百樹園」が12月12日、あずま百樹園(墨田区文花1)で行われた。デンマークの生活文化「ヒュッケ(Hygge)」を取り入れ、「ほっこり心地よく」をテーマに、千葉大学大学院生が中心となって企画した。

デンマーク語で「ほっこりと心地よい」を意味する「HYGGE(ヒュッケ)」

[広告]

 ヒュッケとは、デンマーク語で「居心地の良い空間」や「心地よい時間」、「幸福感」を意味する言葉。冬の長いデーンマーク特有の、ロウソクの灯りや親しい人との交流などを通じて、満たされた時間を大切にするライフスタイルを指し、同イベントでは「日常を少し贅沢にする」ことを意識して企画した。

 企画に携わった千葉大学大学院・建築学コース・鈴木研究室修士2年の漆原東子(とうこ)さんは、デンマーク留学中に、まちの中で人々が自然に集い、それぞれの時間を過ごす光景に触れた経験が、今回の発想の原点になったと話す。

 会場全体のイルミネーションはデザイン学科の学生が手がけ、ナイトイベントではカラフルな電飾を使わず、オレンジ色を基調とした暖かみのある光で統一した。冬は日照時間が短く、気分が沈みがちな季節であることから、「暖炉の前で家族が過ごす時間」や「こたつでみかんを囲むような情景」をイメージしたという。

 会場ではホットワインなどの温かい飲み物を提供。にぎやかな宴会型のイベントにはせず、来場者それぞれが思い思いの過ごし方を楽しめるよう、細かなプログラムを詰め込み過ぎない「余白」のある構成とした。小規模なワークショップや読み聞かせも行われた。

 当日は親子での来場が目立ち、受付で配布した参加タグ約100個はほぼ配布終了となった。イベントを行うと近隣の家族連れが集まりやすいという墨田区の特性を改めて実感する場となり、子育て世代が気軽に立ち寄れる地域イベントの需要の高さもうかがえた。

 運営は当初、受付と飲食対応を中心に行う予定だったが、デザイン学科の学生が自主的に参加を申し出たことで、学科を超えた協力体制が生まれた。漆原さんは「学生同士が自然に関わり合うことで、イベントの表現や規模が広がった」と振り返る。

 今後については、公園という開かれた空間を生かし、UDCすみだと連携した継続的な活用を検討する。漆原さんは修了を控えつつも、「学生だけでなく教授陣も含め、大学全体でまちに還元していく仕組みが必要。大学のあるまちづくりの一環として地域との関わりを続けていきたい」と話す。

 開催時間は17時~20時。照明演出は12月25日まで行う。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース