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菊川で歳末防災の夜回り 小学生と深川本所の伝統火消し頭が呼びかけ

菊川三丁目の歳末防災警戒の夜回りに小学5年生と6年生9人が参加した

菊川三丁目の歳末防災警戒の夜回りに小学5年生と6年生9人が参加した

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 歳末防災警戒の夜回りが12月26日、菊川三丁目町会で始まった。同町会では30日まで、20時と21時の2回、町内を巡回して火災予防を呼びかける。

約300年続く深川本所火消し頭の清水さん親子

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 初日の26日は、菊川三丁目町会会館(墨田区菊川3)に小学5年生と6年生9人が集まり、20時から町会役員らと拍子木を打ち鳴らしながら「火の用心」と声をそろえて町内を歩き、防火を呼びかけた。

  21時からは、江戸時代中期の1700年代前半から約300年にわたり、深川本所地区を受け持つ「第六区」で火消しの頭(かしら)を代々継承してきた家系の第17代・清水信孝さんと、第18代となる息子の清水雅孝さんも参加。相撲で使われるものと同じ太い桜材の拍子木を打ち鳴らし、細い路地まで巡回して火の用心を呼びかけた。

 第六区の系譜は1718年にさかのぼる。徳川吉宗の時代に大岡越前守忠相が江戸町火消「いろは組」を創設した際、隅田川東側の本所・深川地域には南組・中組・北組の三大組が置かれた。中組は複数の小組に分かれており、清水家は八組を担っていた。その後、明治以降の再編や統合を経て、現在の「第六区・中組・三番組」の体制につながっている。雅孝さんの法被に残る「中組・八区」の表記は、当時の呼称の名残として誂えたものという。

 信孝さんが着用する半纏(はんてん)は木綿地に細かな刺し子が施されたもの。目が詰んでいるため重みがある一方で保温性が高く、火事の際には水を含ませて出動することで燃えにくくなると伝えられている。頭の名は代々、亀戸天神で命名されており、空襲で家に残っていた家系図は失われたものの、「中組」の系譜は同社に残されているという。

 菊川三丁目町会副会長の平澤龍一さんは、これまで町会と子ども会が別々に実施してきた歳末防災警戒を、今年は合同で行っている点について触れ、「一緒に回ることで町会と子どもたちのつながりが広がり、地域でのコミュニティ形成につなげたい。下町の子どもたちが伝統行事に触れて学ぶことに加え、高齢者との交流から生まれる変化にも期待したい」と話す。

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