餅つきや合唱などを楽しむ地域交流イベント「てらたま・たもんじ納会」が12月28日、たもんじ交流農園(墨田区墨田2)で行われた。主催はNPO法人「寺島・玉ノ井まちづくり協議会」。参加者は80人で、多世代が集う場となった。
会場では臼と杵を使った餅つきが行われ、つきたての餅はあんこ、きなこ、みたらし、大根おろし、海苔巻きなどで振る舞われた。採れたて野菜を使った雑煮も用意され、温かい料理を囲みながら参加者同士が言葉を交わす姿が見られた。たもんじ音楽隊によるウクレレやサクスフォンの演奏に合わせた合唱や、後出しじゃんけん大会も行われ、会場は終始にぎわいに包まれた。
同協議会理事長の牛久光次さんは「この1年の活動を振り返り、たもんじ交流農園のことを知ってくれる人が増え、参加も広がってきたと実感している。学術との連携や防災、資源循環の取り組みも前に進んだ。納会を通じて多世代の交流と食の体験を深め、来年以降の9年目、10年目に向けた方向性も見えてきた」と話す。
イベントに参加した芝浦工業大学の鳥居瑞生さんは「墨田区には防災関連のイベントの開催を通して継続的に関わってきた。学術連携や防災との融合、資源循環の実践など、ここでの取り組みがこれからのまちづくりにもつながると感じている」と話す。
たもんじ交流農園では、多聞寺の井戸水を活用したビオトープで蛍の自生を目指す取り組みのほか、三鷹の農家の協力による江戸野菜「寺島なす」の復活にも取り組んでいる。農作業体験やイベントを通じて、都市における「食」や「自然」との関わりを考える場としての役割も担っている。