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曳舟の「家庭料理つばめ」店主井上祐子さん、熊本弁当コンテスト最優秀賞

井上祐子さんが最優秀賞に輝いた「肥後やさいのごほうび弁当~くまモンのまあるくうれしい健康ごはん~」

井上祐子さんが最優秀賞に輝いた「肥後やさいのごほうび弁当~くまモンのまあるくうれしい健康ごはん~」

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 ノウドひきふね(墨田区東向島2)で毎週日曜に営業する「家庭料理つばめ」の店主・井上祐子さんが1月5日、熊本県主催の弁当コンテストで最優秀賞を受賞した。

家庭料理「つばめ」の献立

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 井上さんが応募したのは、熊本県が実施した「くまモンの食いしん坊弁当」企画。県産食材の魅力を伝え、「食のみやこ熊本県」の機運醸成を目的に実施された取り組みで、応募総数120点の中から選ばれた。最優秀賞および特別賞作品は、2月21日・22日に熊本市中心部で開かれる「食のみやこ熊本三ッ星グルメフェス」で限定販売される。審査は書類審査と試食を含む最終審査によって行われ、審査員は小山薫堂さんが務めた。

 井上さんの受賞作品は「肥後やさいのごほうび弁当~くまモンのまあるくうれしい健康ごはん~」。熊本県山都町(やまとまち)に伝わる追善料理「具酢和え(ぐずあえ)」の知恵を生かし、野菜を中心とした郷土の食文化を現代的に再構成した。山間部では魚が手に入りにくかった歴史的背景があり、野菜を華やかに盛り付ける文化が育まれてきた点に着目したという。

 文献がほとんど残っていない伝統料理について一次資料を探し、調査を重ねながらレシピを構築した。受賞後も熊本の食文化研究者と連携し、調査を継続している。弁当には野菜11種と豆類4種を使用し、味の変化を楽しめる構成とした。温めると蒸し寿司のように食べられる工夫も盛り込んだ。家庭での継承を意識し、市販品やレトルト食品の活用も許容したレシピ設計にしている。

 井上さんは、両親が食べることが好きな家庭で育ち、父親から「料理は食べることだけでなく、歴史や文化的な背景や文脈を知ることで、より深く味わえる」と教えられてきたという。宮内庁勤務時代には、素材を生かすことや、日々食べ続けても飽きない味であることの重要性を学んだ。その後、専門学校やホテル勤務、料理講師などを経て、足立区や中央区で約10年間、学校栄養士として給食現場に携わってきた。現在はフリーの管理栄養士として活動し、グルメカタログギフト「ごっつお便」での商品監修、オテル・ドゥ・ミクニ監修のおせち料理の衛生管理アドバイス、専門学校・短大での非常勤講師などを務めている。

 「家庭料理つばめ」では、「素材を生かし、日々食べても飽きない料理」をテーマに献立を組み立てている。取材日の献立は赤米ご飯、味噌汁のほか、約10種類の野菜を使用したレシピ。野菜は草加市の畑に足を運び、自ら選んだものを使用する。塩分を控え、食後に疲れにくい味設計を心がけているという。店名は「つながる場所とめぐるご飯」から「つばめ」と名付けた。

 営業は予約制を基本で、1日の提供数は30食前後に抑え、品質維持を重視している。

 井上さんは「料理は味だけでなく、その背景にある歴史や文化を知ることで、より深く味わえると感じている。伝統料理も家庭料理も、無理なく日常の中で食べ続けられる形で伝えていきたい」と話す。

 営業時間は毎週日曜11時30分~15時。料金は1食1,320円。予約はインスタグラムのダイレクトメッセージで受け付ける。

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