7月24日の「河童忌」を機に、墨田区内で文豪・芥川龍之介の生誕120周年を記念するイベントが次々と行われる。
大正から昭和初頭にかけて活躍した芥川は1892(明治25)年生まれ。生後8カ月で本所区小泉町(現在の墨田区両国3)の伯父の家に引き取られ、江東小学校(現・区立両国小)、府立第三中学校(現・都立両国高)を卒業。第一高等学校に入学した1910(明治43)年の秋、一家で新宿に転居するまでの多感な時期を同地で過ごした。
生育地に程近い区立緑図書館(緑2)では今月23日まで、ミニ文学展「芥川龍之介と本所両国」を開設。同館で作成した隅田川を中心とする文学地図をはじめ、中学時代に恩師の葬儀で学年総代として読んだ弔辞(写し)や水彩画・スケッチ、20歳ごろにノートにつづった未定稿などを展示している。
幼少期によく遊んでいたという回向院の、かつて境内だった場所に建つ劇場「シアターX(カイ)」(両国2)では8月10日~12日、芥川の小説を原作にイスラエルのロネン・シャピラさんが作曲した新作オペラ「地獄変」を上演。22日にはこれに先立ち、作家・黒井千次さんや同オペラの演出を担当する井田邦明さんらによる座談会、シャピラさんによるピアノ演奏会なども開かれる。14時~17時。料金は500円。
区の教育委員会が主催するのは「芥川龍之介展-こころのふるさとは本所両国」。7月31日~8月19日、区役所アトリウム(吾妻橋1)でパネル展を実施(8時30分~17時)。8月11日~15日、江戸東京博物館1階会議室で写真や直筆の絵・文章を展示する企画展を開く(9時30分~17時30分)。いずれも無料。
江戸東京博物館では8月11日に小学4年~6年生とその保護者を対象としたまち歩きイベント「芥川龍之介がくらしたまちを歩こう」、12日には講演会「芥川文学に描かれた本所両国」なども開催予定。