東京スカイツリータウン「すみだ水族館」(墨田区押上1)で10月29日、参加者のみの貸し切りイベント「夜の朗読会」が行われた。
閉館後に館内の照明を落とし薄暗くなった吹き抜け空間で、幻想的に青く光る「ペンギンプール」を背景にさまざまなジャンルのアーティストが名作の朗読などを行う同イベント。10月~12月に毎月1回開催。1回目は、エッセーや翻訳などの分野でも活躍する、現代日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんが登場した。
当日、谷川さんは100人ほどの参加者を前に、翻訳を担当した絵本「ペンギンのペンギン」(デニス・トラウト著、トム・カレンバーグ絵)をはじめ、自作の子ども向けの詩「すいぞくかん」「ぺんぎん」「よるのさかな」や、「黄金の魚」「海」「海の比喩」など、海や動物にちなんだ作品を朗読。途中でペンギンたちが大きな鳴き声上げたり、猛スピードで水槽の中を泳ぎ回ったりするというハプニングもあったが、ユーモアあふれるコメントで、それらに応酬し会場を沸かせた。後半には参加者からのリクエストや質問などにも応え、同館が海水運搬時に発生する二酸化炭素(CO2)の発生を抑えるなど地球環境に配慮して水槽内の水を完全人工海水化していることについて評価した。
参加者は「朗読会」終了後もしばらくの間、貸し切りの館内で展示を観賞するなど、思い思いに非日常空間を楽しんだ。
11月26日の第2回イベントにはミュージシャンの坂本美雨さんが登場し、レイチェル・カーソンの「われらをめぐる海」やアン・モロウ・リンドバーグの「海からの贈り物」などを朗読。12月17日の第3回には舞踏家の大野慶人さんが「竹取物語」の世界を朗読と踊りで表現する予定。
開催時間は20時~22時。入場料は3,000円(ワンドリンク込み)。小学生以上が対象(中学生以下は保護者の同伴が必要)。現在ホームページで第2回の参加申し込みを受け付けている(11月3日締め切り)。