1945(昭和20)年3月10日未明の東京大空襲で大きな被害を受けた墨田区で、今年もさまざまな平和祈念行事が開かれる。
「すみだトリフォニーホール」(墨田区錦糸1)では3月9日、同ホールを本拠地とする新日本フィルハーモニー交響楽団による「すみだ平和祈念コンサート2014」を開催。指揮は6日の定期演奏会(サントリーホール)が同楽団との初共演となるミュンヘン生まれの準・メルクルさん。演奏するのは、新ウィーン楽派のアーノルト・シェーンベルクの合唱曲「地には平和を」、20世紀フランスを代表する作曲家オリヴィエ・メシアンの「キリストの昇天」、モーツァルトが最期を迎える年に書いた死者のためのミサ曲「レクイエム」。
告知チラシにサウンド&ヴィジュアル・ライターの前島秀国さんによるエッセー「東京大空襲の被災地・すみだで鎮魂歌(レクイエム)を聴くということ」を掲載し、当日会場で配布する音楽ジャーナリストの飯尾洋一さんによるプログラムノートをホームページで先行公開。音楽が持つ意味や背景などをより明確にし、平和へのメッセージを前面に打ち出している。開演は15時。入場料は、S席=7,000円、A席=6,000円、B席=5,000円。
「すみだ郷土文化資料館」(向島2、TEL 03-5619-7034)ではこれまでに収集してきた東京大空襲の体験画を展示。8日の11時からは描いた本人を招き、絵の前で戦争の悲惨さや平和の大切さについて語るギャラリートークを開催。新日本フィルのビオラ奏者・吉鶴洋一さん率いるピアノ四重奏団によるミニコンサートも同時開催。入館料は100円。事前に電話予約が必要。
墨田区役所1階アトリウムでは折り鶴で制作した「平和のオブジェ」を公開中。10日~20日には区民や著名人から募った「平和メッセージ」も展示する。10日の12時からはオープニングイベントとして無料コンサートも開催。新日本フィルのメンバーによる弦楽四重奏団が瀧廉太郎作曲の「花」などを演奏する予定。