東京スカイツリータウン4階「スカイアリーナ」で5月24日・25日、開業2周年を記念する「スカイツリー歌舞伎」が初開催された。
初日の観客席は抽選などでチケットを入手した250人でほぼ満員に。当日用の立ち見スペースにも大勢が詰め掛け混雑した。
特設ステージにはまず、和太鼓奏者の上田秀一郎さん、津軽三味線奏者の高橋竹童さんと小田島旺心さんが登場し、スカイツリーの高さ634メートルにかけた「武蔵」を演奏。その後、大坂の「天満橋」らしい背景がセットされた舞台におはやしがそろい、若手実力派歌舞伎俳優、中村七之助さんと尾上松也さんによる「団子売」が披露された。
公演後には、化粧を落としてスーツ姿に着替えた2人が再度登場し「芸談」コーナーがスタート。「スカイツリーの下で踊るというめったにない機会を大いに楽しもうと思い、本番ではスカイツリーを仰ぎ見る『振り』を取り入れてみた」と中村さん。尾上さんは「昨夜、舞台稽古の後で初めてスカイツリーに上り、予想以上の眺めにびっくり。感動して本番へのモチベーションが上がった」と続けた。
団子を売り歩く夫婦が軽快な「きねさばき」や息の合った踊りを見せる演目については、「分かりやすくて、ちょうどいい長さなので歌舞伎が初めての方でも楽しめる。いろいろな種類の動きが詰まっているので、体をいっぱい使って踊った」と中村さん。尾上さんは「自分にとっては何もかもが初めて尽くし。きねとうすで餅をつく場面では本物みたいにおいしそうに見えた。これをきっかけに一人でも多くの方が歌舞伎の魅力に気付いてもらえたら」と話した。