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すみだトリフォニーホールで暗闇コンサート-「北斎感覚」を体験

コンサート&レクチャーで構成。「みんなで地歌を歌おう」なども予定。

コンサート&レクチャーで構成。「みんなで地歌を歌おう」なども予定。

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 すみだトリフォニーホール(墨田区錦糸1)小ホールで10月5日、江戸時代の薄明かりや暗闇の中で聞く「純邦楽」コンサートが開催される。

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 生涯のほとんどを墨田区内で過ごしたとされる天才絵師の葛飾北斎が、和楽器を演奏する人々を描いた作品を数多く残していることから、音楽愛好家だったと推測されることと、同ホールの近隣で2016年度の開館に向けて準備が進められている「すみだ北斎美術館」にちなんだプレ記念企画。

 昼間でも、天候や部屋の位置によっては弱い光の中で生活しながら、奇抜な発想と想像力で数多くの傑作を世に送り出した北斎に着目し、彼が聞いていたかもしれない音楽を、当時に近い環境で味わうことで「北斎感覚」に近づくのがねらい。当日は、ワークショップなどで長年、暗闇が人間の感覚に与える変化などを研究している「暗闇プロデューサー」のたむらひろしさんがファシリテーター(進行役)を務める。

 演奏プログラムとして選ばれたのは古い歴史を持ち、歌舞伎の伴奏音楽としての「長唄」を始め、さまざまな三味線音楽に影響を与えてきた「地歌」というジャンル。「その多くが盲人音楽家によって作られ、歌い手による三弦(三味線)弾き語りというシンプルでそぎ落とされた形態でありながら、ほかの三味線音楽にはない高度な技術を要する繊細な美しさを秘めた音楽」と同ホールの吉水まきさん。

 演奏者として、人間国宝で地歌界の第一人者である二代目・富山清琴さんとその息子の富山清仁さんが舞台に登場。18世紀末~19世紀初頭に大阪で活躍した名手・峰崎勾当(こうとう)が故人をしのんで作った追善曲「残月」、近松門左衛門の作品を下敷きにした「恋女房染分手綱」における母と子の悲しい別れの場面を歌った「三吉」、たくさんのネズミたちが夜の台所で暴れ回る様子をおもしろおかしく描いた「曲ねずみ」の3曲を披露する。

 料金は全席指定3,000円。15時開演。

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