墨田区の新年の恒例行事として親しまれている「隅田川七福神めぐり」が、2025年も元日から開催されている。
隅田川七福神は、江戸文化年間に向島百花園に集う文化人たちによって創案され、初春の行楽行事として盛んに行われてきた七福神を祀る寺社を巡拝して開運を祈る行事。毘沙門天を祀る多聞寺(墨田区墨田5)、寿老神を祀る白鬚神社(東向島3)、福禄寿尊を祀る向島百花園(東向島3)、弁財天を祀る長命寺(向島5)、布袋尊を祀る弘福寺(向島5)、大国神・恵比寿神を祀る三囲(みめぐり)神社(向島2)を訪ねる。都内でも有数の七福神めぐりとして知られ、現在も七福神を巡りながら御朱印や御分体を集めたり、隅田川沿いの史跡を訪れたりと、多くの参拝者が訪れている。
隅田川七福神を祀る寺社では、年末から宝舟と呼ばれる縁起物の製作が進められてきた。白鬚神社では、緋色の袴をまとった巫女が、陶器製の舟や「柳箸」で作られた帆柱、「寶」の印を施した帆などを手作業で丁寧に仕上げた。舟の設計は、かつて隅田川を行き交った舟を模しており、その伝統的な姿が参拝者に愛されている。宝舟には、各寺社で頒布される御分体(500円)が乗せられ、玄関や神棚に飾ることで福を招くとされる。また、大晦日には白鬚神社で「清祓式」が行われ、お祓いを受けた宝舟と御分体が元日午前0時から頒布される。
御朱印の寄書き用色紙(300円)や、宝舟(1,500円)は、多門寺と三囲神社のみで販売されており、参拝の記念品として人気を集める。
1月3日10時~12時には浅草雑芸団が各寺社を巡回奉納するほか、13時~14時30分には向島2丁目周辺町を回り、14時30分~15時30分に弘福寺で新春芸能を披露する。
「七福神めぐり御朱印」の授与は9時~16時。1月7日まで。