
梅雨入りした墨田区で、都立向島百花園(墨田区東向島3)のアジサイが満開を迎え、雨にぬれた花々が園内を彩っている。
中でもひときわ目を引くのが、白く輝くガクアジサイ「墨田の花火」。白から淡青に変化する八重咲きの装飾花が、両性花を囲むように放射状に広がる。花火のような形状から「墨田の花火」と名付けられた品種で、整ったたたずまいが訪れた人の目を引いている。
園内ではこのほか、「ホンアジサイ」「黒姫」「鉢伏てまり」など、江戸時代から続くさまざまな品種が見頃を迎えており、色とりどりの花々を楽しむことができる。ガクアジサイの一種「アマチャ」の葉を蒸してもみ、乾燥させた茶葉を煎じた「甘茶」も販売。「砂糖の数百倍といわれる甘みがありながら、すっきりした味わいが特徴」だという。
向島百花園は江戸時代後期の文化・文政年間(1818~1830年)に開園し、現存する唯一の「江戸の花園」として知られる。梅雨の時期には、ひなを連れたカルガモの親子が姿を見せることもあり、自然と触れ合える風景として親しまれている。
開園時間は9時~17時。入園料は、一般=150円、65歳以上=70円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料。