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両国高同窓会が120周年演奏会 校歌と「第九」合唱で会場一体に

淡交会結成120周年記念特別演奏会

淡交会結成120周年記念特別演奏会

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 都立両国高校(墨田区江東橋1)の同窓会「淡交会」が主催する「淡交会結成120周年記念特別演奏会」が7月12日、すみだトリフォニーホール(墨田区錦糸1)大ホールで開かれた。同校創立125周年の節目も重なり、卒業生や地域住民ら約1500人が詰めかけた。

淡交会結成120周年記念特別演奏会

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 演奏会は、淡交フィルハーモニー管弦楽団の創設者で同校49回生の故・早川正昭さんが作曲した「牧歌」(チェロ、ハープと管弦楽のための作品)で幕開け。ハープは早川さんの娘・早川りさこさん、チェロは早川さんの親友で同級生だった故・植草寛之助さんの娘・植草ひろみさんが務め、親子と友情のつながりを音楽で表現した。

 続いて登場したのは、卒業生や一般市民で構成された淡交混声合唱団約110人。淡交フィルと現役学生約60人による合同演奏とともに、同校69回生の故・鈴木行一さんが編曲した「両国高校校歌五部作(開校式の歌・卒業式の歌・校歌・三中健児の歌・あゝ黎明の歌)」を28年ぶりに再演した。後半には、ベートーベンの交響曲第九番「合唱付き」も披露。ソリストと合唱団が力強いハーモニーを響かせた。

 淡交混声合唱団は、1997(平成9)年に校歌五部作の録音を目的に卒業生が集まったことをきっかけに結成された団体。2001(同13)年には同校創立100周年記念公演で「第九」を演奏し、2017(同29)年には新たなメンバーを迎えて活動を再開した。コロナ禍ではリモートでの練習を継続し、2022年には対面練習も再開。現在は卒業生に加え、家族や知人など趣旨に賛同する幅広いメンバーで構成されている。

 合唱団の構成比は、卒業生=約7割、現役生や親族=1割、地域の一般参加者が=2割。小学生から90代まで、経験も声質も多様なメンバーが集まり、音大声楽科出身者から初心者までが同じ舞台に立った。

 混声合唱団の指揮を執った北原徹さんは「2024年10月から30回にわたる合唱練習の成果が実を結び、本番当日は想定以上の素晴らしい演奏だった。歌う経験も年齢もさまざまな110人が、それぞれの音を持ち寄りながら一つの音楽をつくり上げていく過程が、本当に貴重だった。音楽の力を信じてくれた全員に感謝している」と振り返る。

 演奏全体の指揮は、同校77回生で世界的に活躍する新田ユリさんが務めた。「第九」のクライマックスでは、合唱とオーケストラ、ソリストが一体となって会場を包み込み、大きな拍手が送られた。

 アンコールでは、出演者と観客が一体となって両国高校の校歌を合唱。校歌の作詞家・吉丸一昌さんの孫、吉丸昌昭(まさあき)さんは「最後に全員で歌う校歌を聴いて、感動的で涙があふれて止まらなかった」と話した。

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