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隅田川で灯籠流し 戦後80年、平和の願いを灯す

願いを込めて灯篭を流す

願いを込めて灯篭を流す

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 平和を願う夏の風物詩「隅田川とうろう流し」が8月16日、隅田川親水テラス・墨田区役所前うるおい広場(墨田区吾妻橋1)で行われた。

「隅田川とうろう流し」

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 「隅田川とうろう流し」は、関東大震災や東京大空襲など隅田川で亡くなった人を弔う法要として、1946(昭和21)年に浅草復興祭時に始まった。その後、防潮堤の整備などにより1965(昭和40)年を最後に中止していたが、隅田川親水テラスの整備に伴い2005(平成17)年から復活。2018(平成30)年からは墨田・台東両区の協力事業として、隅田川両岸で開催している。

 当日は、墨田こどもPR大使や議員など多数の来賓が出席。18時30分から行われたオープニングセレモニーは、一般社団法人墨田区観光協会の森山育子理事長のあいさつで開始。山本亨墨田区長は「今年は終戦80年の節目の年。『ひと、つながる。墨田区』の思いを、改めて皆さんと共有して、いい墨田区を作っていきたい」「世界の平和を日本の国からしっかり訴えて、皆さんと共に平和な社会を作っていきたい。この思いをとうろうに掲げたい」と述べ、集まった人々から拍手が起こっていた。

 18時45分からは一般参加者が順番に灯籠を川に流すレーンに載せていき、墨田側と浅草側の両岸から流された灯籠が隅田川の水面を彩った。亡くなられた方々への思い、これからの自分の願い、未来の子どもたちへの希望を、それぞれが灯篭に託した。優しい灯りが隅田川の水面を照らし、集まった人々が平和への思いを胸にしていた。会場周辺には区内在住者や訪日外国人観光客、関西・九州からの見物客も多数訪れ、灯籠を撮影する姿が見られた。

 墨田区在住の山本博隆さんは「墨田区に20年も住んでいるが、灯篭流しを今回初めて知った。大空襲・大震災で何十万の人々が亡くなっているので、地元の人間として参加しなくてはならないと思った」と話した。アメリカから訪れた家族は、灯篭に日本語で「愛」と書き、「平和への願いは世界共通」と話す。

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