
子どもたちが自ら国を運営するイベント「なつのあそび大学」が8月17日に始まり、23日、千葉大学墨田サテライトキャンパス(墨田区文花1)で閉幕した。会期中は区長の視察や議員選挙、公共事業としてのお化け屋敷、国歌づくりなど多彩な活動が展開され、最終日は国歌の大合唱と記念撮影で締めくくった。
20日には山本亨区長が会場を訪れ、子どもたちの活動を視察。議員選挙も行われ、新たな議員体制がスタートした。議員を務めたのはエリザベス議員(中学2年)、木材議員(中学1年)、トマと議員(小学6年)、SHOKUBUTSU議員(小学6年)、太一議員(小学6年)の5人。
翌21日は議員が太一議員とSHOKUBUTSU議員の2人だけとなったが、国家財政を赤字から救うためにルーレットを運営し、大きな利益を上げて国を支えた。
22日には子どもたちが自分たちの言葉を募って国歌を作詞し、合わせて公共事業としてお化け屋敷を運営。来場者を驚かせ、笑顔を生む工夫で会場を盛り上げた。23日の最終日は振り返り会が開かれ、「友達ができた」「お金を稼ぐのが楽しかった」「議員の仕事は難しかった」といった感想が寄せられた後、クロージングパーティーで全員による国歌の大合唱が行われ、最後に記念撮影をして1週間の活動を締めくくった。
国家運営についてエリザベス議員は「国民の意見をまとめるのが大変だった」と振り返り、木材議員は「議員の仕事は思ったより難しく、日本の議員さんの大変さがわかった」と話す。トマと議員は「おばけ屋敷で来場者が驚いてくれるのが楽しかった」SHOKUBUTSU議員は「選挙があることを知らなかったけれど、普通の国みたいで驚いた」とそれぞれ語り。太一議員は「男子の参加が少なかったので、来年はもっと増やしたい」と今後の課題を挙げた。
国民として参加した子どもたちからは「アルバイトでお金をかせげたのがうれしかった」「銀行や入国管理庁の仕事を体験できた」「イスやアクセサリーを作れて楽しかった」「ブラック企業のパロディが面白かった」といった声が寄せられた。
今年は延べ1,074人が参加し、ボランティアも1日平均30人ほどが子どもたちを支えた。4年連続で参加する子どももおり、地域に根付いた取り組みとして定着しつつある。運営を担うSeki Design Labの關真由美さんは「子どもが自分で考え、挑戦し、時には失敗から学べる場になった。来年以降も継続していきたい」と話す。