
すみだ水族館(墨田区押上1)は8月21日、ニチレイ(中央区)と「地域社会や生物多様性保全に関する連携協定」を締結した。小笠原諸島の魅力発信やアオウミガメの保全活動を通じて、未来を担う子どもたちとともに持続可能な社会の実現を目指す。
すみだ水族館の川角類支配人とニチレイの佐藤真理サステナビリティ戦略部長
同館が推進するサステナビリティー活動「AQTION!(アクション)」の一環として結んだ同協定。AQTION!は、小笠原村と連携し、絶滅危惧種アオウミガメの赤ちゃんの保全や小笠原諸島の魅力を発信しており、父島に社有地を持つニチレイが活動に賛同したことから今回の協定締結に至った。
当日は同館の川角類支配人とニチレイの佐藤真理サステナビリティ戦略部長ら関係者が出席して締結式が行われた。川角支配人は「ニチレイとの連携で、より広い視野で次世代へつなぐ地域貢献に取り組みたい」と話し、佐藤さんは「小笠原にある社有地が縁で、すみだ水族館との連携が実現し、地域社会や生物多様性保全に貢献できることを大変うれしく思う。80周年を迎える企業として、今後も社会課題の解決に向けた取り組みを進め、持続可能な社会の実現を目指したい」とあいさつした。
水族館では子ども向け体験型プログラムを毎日実施しているほか、区内25の小学校でメダカの出前授業を行い、命の大切さを伝える活動を展開している。展示では世界自然遺産・小笠原諸島の海「ボニンブルー」を再現し、絶滅危惧種の紹介や資料保存なども進めている。
昨年9月にやって来た2匹のアオウミガメは「ハート」「ロック」と名付けられ、小笠原小学校の児童が父島の名勝「千尋岩(ちひろいわ)」(通称「ハートロック」)にちなんで名付けた。当初は手のひらサイズだったが現在は大きく成長し、締結式ではサイズの測定も行われた。
ハートとロックは9月に小笠原に返還される。