
今年で結成25周年を迎えた劇団「シアターキューブリック」の展覧会「キューブリックEXPO」が9月3日、錦糸町パルコ(墨田区江東橋4)で始まった。
同劇団は2000年に墨田区出身の脚本・演出家の緑川憲仁さんを中心に旗揚げ。「大人が楽しめるファンタジー」を掲げ、劇場公演をはじめ、鉄道を舞台にした「ローカル鉄道演劇」、商店街・城跡を活用した地域密着型の作品を手がけてきた。2010(平成22)年には墨田区に拠点を移し、地域と共に「街を遊園地にする」活動を続けている。
初日には、行政や商店街、観光関係者らを招いたトークセッションを行ったほか、代表作「葡萄(ぶどう)酒色のミストラル」を多カメラで編集した映像の大スクリーン上映も行った。
会場では、過去の舞台写真や小道具、衣装、映像資料を展示。顔出しパネルやフォトスポットなどの参加型企画も用意する。全展示が撮影可能で、SNS発信も推奨している。
トークセッションのテーマは「まち作りにエンタメ活用のすすめ」。登壇したのは、山本亨墨田区長、山田昇墨田区商店街連合会会長、大和和道下町人情キラキラ橘商店街事務局長、森山育子墨田区観光協会理事長、小笠原功東京楽天地常務、緑川さん。MCは同劇団の奥山静香さんが務めた。
大和事務局長は、同商店街と連携して活動する劇団員によるアイドルグループ「帰ってきたキューピッドガールズ」に触れ、「女性目線の発信が加わったことで商店街がより元気になった」と紹介。奥山さんは劇団結成時のオーディションで加入したメンバーで、現在も商店街活動やイベントで中心的な役割を担っている。
山本区長は「演劇には人を元気にし、つながりを生む力がある」と述べ、来年9月~12月に構想する「総合的芸術祭」にも触れた。森山理事長は「区民や外部ファンの参画をどう設計するかが課題」、山田会長は「安心・安全を確保しつつ、広域の人が楽しめる場をつくりたい」と、それぞれ話した。
緑川さんは「地域の人にもっと届く情報発信を強化し、25年の歩みを次の挑戦につなげたい」と意気込む。
営業時間は10時30分~21時。入場無料。今月7日まで。