
向島秋葉神社(墨田区向島4)の「祭礼」が10月3日から始まる。
3日は10時から富くじ販売を開始。4日は10時~12時に子どもみこしと山車渡御、17時から大縁日が開かれ、19時からは富くじ大会がスタートする。5日は13時から向島秋葉神社本社大みこしの渡御を行う。
4日の大縁日では、周辺町会の協力により飲食やゲームの夜店が大幅に増える。ビール以外のアルコール類も販売し、大人も楽しめる内容となる。秋葉神社前の道路を通行止めにし、路上での販売も行うという。
向島4丁目北町会少年部長の野村純平さんは「向島秋葉神社は一町会一神社で、氏子は我々向島4丁目北町会のみ。一昨年までは牛嶋神社の祭礼と同日に行っていた。みこしも小さくこじんまりした祭りだったが、若手の中で自分たちの祭りを大切にする動きが広がり、インスタグラムも開設。昨年から10月に変更し大盛況だった。今年は大みこしを新調したのに合わせて半纏(はんてん)も新デザインで200枚準備した。例年にはなかった囃子や木遣も加わり、みこし渡御が一層華やかになるので、若手を中心に祭禮を盛り上げていきたい」と話す。
向島秋葉神社の創建は古く、1289(正応2)年と伝わる。江戸時代初めに霊僧・善財が秋葉大神のご神影を彫って納め、元禄期には修験者の千葉葉栄が整備を進めた。1702(元禄15)年には沼田城主・本多正永の寄進で社殿が造営され、徳川御三家をはじめ広く信仰を集めた。
その後、関東大震災や東京大空襲で社殿が失われたが、1966(昭和41)年に再建され現在に至る。境内は江戸の名所としても知られ、紅葉の景勝地や「神泉の松」の霊水で賑わった記録が残る。
野村さんは「当町会は年配と若手の垣根が低く、何でも言い合える環境がある。50枚だった半纏も200枚に増やし、予約でいっぱいになった。向島の仲間が同じみこしを担げる喜びも大きい。この盛り上がりをぜひ体感していただければ」と期待を寄せる。