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「すみだ五彩の芸術祭」2026年秋開催へ ロゴの都鳥で過去~未来を表現

山本亨区長を中心とした実行委員会のメンバー

山本亨区長を中心とした実行委員会のメンバー

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 墨田区内各所を舞台にした総合的な芸術祭「すみだ五彩の芸術祭」が2026年9月4日から12月20日まで開かれる。両国の回向院(墨田区両国2)で10月2日に開かれた記者会見で、実行委員会が発表した。自治体が主催となり、数カ月に及び実施する総合的な芸術祭としては23区初となる。

デザイナーの青木彬さん

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 テーマは「すみだの五彩」。水墨画の言葉「墨に五彩あり」にちなみ、芸術を通して多様な色や魅力を表現し、すみだに暮らす喜びを再発見することを目指す。コンセプトは「発気揚々(はっきようよう)」。相撲の「はっきよい」の語源ともされる言葉で、作品を見て歩き、参加し、語り合う過程で仲間やつながりが生まれていくイメージを込めた。

 実行委員会は、山本亨区長を実行委員長に、エグゼクティブディレクターに千葉大学教授で現代芸術論を専門とする神野真吾さんを迎え、清宮陵一さん、荻原康子さん、三田大介さん、青木彬さんら墨田区で活動する4人がディレクターを務める。

 ロゴは墨田区で生まれ育ったというデザイナーの高橋正実さんが手がけ、在原業平が歌に詠んだ「都鳥」をモチーフに過去(金色)・現在(銀色)・未来(墨色)をつなぐ存在として表現。高橋さんはロゴを使ったユニホームも手がけた。

 会見では、すみだ北斎美術館やすみだトリフォニーホールなど文化拠点の蓄積、さらに10年間続いた「隅田川 森羅万象 墨に夢」の成果を土台に、新たな総合芸術祭を立ち上げる背景を説明した。会期中は自主企画に加え、公募プロジェクトも実施。2026年1月12日から2月16日まで、申請を受け付ける。

 10月24日・25日には隅田公園(向島1)そよ風ひろばでプレイベントを開催。24日には坂本美雨さんや曽我部恵一さんらが出演するコンサート、25日には生演奏盆踊り「SUMIBON」などで、芸術祭に先立ち会場や地域を盛り上げる。

 山本区長は「単なる3カ月のイベントではなく、墨田の未来に向けた投資。区民が一緒につくり上げることで、芸術祭が地域の誇りと交流の場になる」、神野さんは「横浜や愛知のような国際的芸術祭と違い、墨田は都市型でありながら地域文脈に根ざすモデルを目指す。既にある文化や営みを大切にしながら、芸術の力で人や世代をつないでいきたい」と、それぞれ意気込みを見せる。

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