2026年秋に開催予定の「すみだ五彩の芸術祭」に向けたプレイベントの音楽コンサート「未来を生きるあなたへ」が10月24日、隅田公園(墨田区向島1)そよ風ひろばで開かれた。
スカイツリーを背景に行われた音楽コンサート「未来を生きるあなたへ」
アートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢(すみゆめ)」の一環として実施した同公演。2016(平成28)年にスタートした「すみゆめ」は、北斎ゆかりの地・墨田を舞台に、「北斎」と「隅田川」をテーマに芸術と地域をつなぐ取り組みを続けている。25日に行われる生演奏による盆踊り「すみゆめ踊行列(SUMIBON)」の連動企画として行われた。
当日はすみだトリフォニーホール・ジュニア・オーケストラ アンサンブルメンバーの演奏で幕開け。ボーカルとしてアン・サリーさん、、曽我部恵一さん、坂本美雨さんが出演。バンドは音楽監督でギターの高田漣さんをはじめ、伊賀航さん(ベース)、伊藤大地さん(ドラム)、ハタヤテツヤさん(キーボード)で構成した。
アン・サリーさんは「りんご追分」「満月の夕べ」などをしっとりと歌い上げ、曽我部さんは2001(平成13)年9月11日の米同時多発テロをきっかけに作った「ギター」や、兵士から母親に向けた手紙を題材にした「兵士の歌」などを披露。坂本さんは「ネバーエンディング・ストーリー」「かぞくのうた」「Can't Help Falling in Love」を歌い、最後にはすみだ少年少女合唱団とともにハーモニーを響かせた。同合唱団は隅田川にちなんだ「花」も披露した。雨の中での開催となったが、多くの観客が最後まで演奏を見守っていた。
25日に開催予定の盆踊り「すみゆめ踊行列:SUMIBON」は、雨天のため会場をすみだリバーサイドホール・イベントホールに変更して行う。
葛飾北斎の「踊行列図」に倣い、会場中央に櫓(やぐら)を設けて展開する。あがた森魚さん、あっこゴリラさん、いとうせいこうさん、ラッキィ池田さん、寺尾紗穂さんら多彩なアーティストに加え、地元の踊り手や芸能団体も出演。耳なじみある音頭や全国各地の民謡を楽しみながら、来場者も輪に加わって踊ることができる。
企画プロデュースを務めるのは、墨田区在住の音楽家でアートディレクターの岸野雄一さん。銭湯や商店街、盆踊り会場などでDJイベントを行うなど、多様な場で表現活動を展開している。
開催時間は14時~20時。入場無料。