主に墨田区内で撮影が行われ、ご当地映画として地元のさまざまな協力の下で製作された映画「くそガキの告白」が、6月30日から「テアトル新宿」でロードショー公開される。
監督・脚本を務めるのは、同作品が初の長編監督作で劇場デビュー作となる鈴木太一さん。これまでに墨田区のご当地映画第1弾「歓待」(監督・深田晃司)にラインプロデューサーとして、第2弾「コネコノキモチ」(監督・高橋栄樹)に製作協力として携わった小林憲史さんが第3弾作品として初プロデュースを手掛けた。
撮影の一部は埼玉県の北本市でも行われたが、ほとんどが墨田区内で行われ、隅田公園や大横川親水公園をはじめ、バー「イプクレス・ラウンジ」(墨田区向島1)のような飲食店などもロケ地として選ばれた。手づくり鞄工房の「HIS-FACTORY」(吾妻橋1)やガールズブランド「KILLY EDNA」(京島1)ほかが、小道具などを提供し協力している。「当時は東京スカイツリーの開業間近だったこともあり、街にはこれから新しいものが生まれるというソワソワしたものを含めたエネルギーと、古き良き伝統の磁場のようなものが合わさった不思議なオーラが漂っていた」と鈴木監督。
物語には鈴木監督自身の経験が色濃く反映されており、「それだけに、脚本には特に力を注ぎ、直しは撮影最終日まで続いた」という。映画監督を夢見る「ブサイクでくそガキな」主人公・馬場大輔をキングオブコメディーの今野浩喜さん、売れない女優であるヒロイン・木下桃子をグラビアアイドルの田代さやかさんが好演し、「とにかく主役の2人が最高のキャスティングだったと思う。おかげで、俺たちにしかできないオンリーワンの熱い映画が撮れた」とも。
「2012年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でも審査員特別賞ほか4冠に輝いた同作。4月22日にアサヒアートスクエア(吾妻橋1)で行われた墨田区先行上映会でも地元からの厚い支持を得ている。
初日には上映に先立ち、監督や出演者による舞台あいさつが行われる予定。