江戸東京博物館のリニューアルオープン100日前を記念した発表会が12月18日、JR両国駅に隣接する「両国江戸NOREN」(墨田区横網1)で行われた。
発表会後には、長期休館中の江戸東京博物館でメディア向けの館内ツアーが行われ、リニューアルの全体像や新たな展示、建築・空間演出の狙いが公開された。
同館は1993(平成5)年開館。約30年が経過したことから、設備更新や外壁修繕などを目的に2022年から大規模改修工事を進めている。2026年3月31日のリニューアルオープンを予定しており、今回の発表会は節目となる「100日前」に合わせて実施した。
館内ツアーでは、再現された江戸時代の木製の日本橋のほか、6階常設展示フロアに新設された「服部時計店」を公開。文明開化期の東京を象徴する建築として実物大で再現し、東京ゾーンの入り口に位置付ける。模型の背後では大型映像を投影し、展示物と映像を組み合わせた新たな空間演出を披露した。
同フロアではリニューアル前は外観展示のみだった、芝居小屋「中村座」が、来館者から寄せられた「中に入っていたい」という声に応える形で、内部に足を踏み入れられる体験型展示に生まれ変わった。
3階フロアでは、天井や柱面をスクリーンとして活用する映像演出を披露。約4000平方メートルに及ぶ空間全体に空や四季をイメージした映像を投影し、来館者が展示空間に包まれる体験を目指すという。
屋外では、JR両国駅側からのアプローチも公開した。鳥居を想起させる赤いフレーム状のモニュメントを連続して配置し、来館前から「江戸の世界」へと意識を切り替える導線として整備する。館内エントランスには、江戸時代から続く左官技術を用いた壁面も設け、伝統と現代建築を融合させた空間になっている。
建築監修を務めた重松翔平さんは「建物そのものを展示装置として捉え、江戸から現代へと続く時間の流れを体感できる博物館を目指した。私自身もリニューアルが楽しみ」と話す。
同館の藤森照信さんは「当館のリニューアル後は、国技館、すみだ北斎美術館などが並ぶ文化芸術エリアが誕生する。江戸時代、両国は浅草と並ぶ盛場だった。江戸時代のように両国が発展してほしい」と話す。
同日から両国駅3番線ホームや両国駅広小路、旧安田庭園では、リニューアルオープン100日前関連イベントを行う。
3番線ホームのイベント開催時間は、18日=15時30分~20時、19日・20日=11時~20時、21日=11時~18時。参加無料(入場にはJR両国駅改札内への入場券が必要)。
周辺施設で行う「おかえり!えどはく!」の開催時間は11時~20時。初日は15時開始、最終日は18時終了。入場無料。今月21日まで。