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吾嬬第三小5年生、墨田区初のユースセンター設立へ CFで協力呼びかけ

ユースセンター設立に向けクラウドファンディングを始めた桑原悠(ひさし)さんと山口亮(まこと)さん(左)

ユースセンター設立に向けクラウドファンディングを始めた桑原悠(ひさし)さんと山口亮(まこと)さん(左)

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 墨田区立吾嬬第三小学校(墨田区八広2)5年の桑原悠(ひさし)さんが12月25日、ユースセンター設立に向けクラウドファンディング(CF)を始め、協力を呼びかけている。墨田区内にこれまでなかった10代の居場所づくりを目指す。

ユースセンター設立に向けクラウドファンディング(CF)を始めた桑原悠(ひさし)さん

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 ユースセンターは、学校でも家庭でもない第三の居場所として中高生世代を主な対象にした施設。家や学校を安心して過ごせる場所と感じていない若者や、自分の部屋がなく学習環境が整っていない若者など、さまざまな背景を持つ子どもに向けた取り組みとして全国で広がっているが、墨田区内ではこれまで、開設の動きがなかった。

 墨田区では本年度から5カ年計画で「墨田区こども計画」が施行されている。区の調査によると、「放課後などに気軽に行ける安全な居場所の提供」を望む声が最も多いが、実際に想定されているのは児童館や子ども食堂、社会福祉協議会が運営する「地域福祉プラットフォーム」などで、中高生世代に最適化された居場所とは言い難いのが現状だという。

 今回のプロジェクトは、今年の夏休み、押上で地域コミュニティーを運営する「よりみち自由室」(押上2)の呼びかけで子どもたちが集まったことをきっかけに始動した。「10代に必要な居場所」をテーマにワークショップを重ね、内容を検討してきた。父親からワークショップのチラシを受け取り、具体的なイメージがないまま参加した桑原さんだったが、次第に「自分の居場所をつくること」の楽しさを感じるようになり、気持ちに変化が生まれたという。

 9月には「すみだユースセンター」の名称で、「墨田区生涯学習センター(ユートリヤ)」(東向島3)の部屋を借り、毎週木曜の放課後に試験運営を始めた。子どもたちが試行錯誤しながら運営を続けたが、利用者が想定通りに集まらない時期もあり、紆余(うよ)曲折を経て、現在は桑原さんが中心となって活動している。

 今後の方針を相談する中で資金の集め方を検討し、最終的にクラウドファンディングを行うことになった。よりみち自由室の山口亮(まこと)さんは「いろいろな方法がある中で、まずは挑戦してみたいという本人の思いを尊重した」と話す。集めた資金は施設利用料などの運営費に充てる。

 桑原さんは「児童館には小さな子どもが多く、自分の居場所と感じにくい。ここでの活動は楽しいので長く続けたいし、一緒に運営する仲間も集めたい」と意欲を見せる。

 すみだユースセンターは毎週木曜15時~20時30分に開設。参加無料、事前申し込み不要。クラウドファンディングの目標額は30万円で、キャンプファイヤーで1月29日まで受け付ける。

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