東京スカイツリーの真下、押上・業平橋地区に設置された凸面鏡が人気を集めている。
凸面鏡は、スカイツリーを見上げる北十間川沿いの道路脇に2年半ぐらい前から登場。直径60センチほどのこのカーブミラー(道路反射鏡)のような鏡の前に立つと、全長634メートルのスカイツリー全体と一緒に数人で記念撮影できる。
考案者は近所に住み谷伸吉さん。「仕事を引退してから地元の役に立つようなことを探していた。みんなに喜んでほしくて」と、雨の日以外は頻繁に同所に現れ、自転車に取り付けた鏡の角度をベストポジションに調整している。設置後も鏡のそばに立って行列を整理したり、「カメラは低い位置に、顔は鏡の方を向いて」と、きれいな写真が撮れるようアドバイスしたりと余念がない。しかも利用は無料とあって、順番待ちの長い列ができることもある。
地元では「ミラーおじさん」として知られる谷さん。傍らには地図を手にした仲間がいる日もあり、観光客にスカイツリーの撮影ポイントなどを教える観光ガイドのボランティア役を買って出ている。「修学旅行の引率の先生に頼まれて、朝早くから鏡を設置したこともある。忙しくてトイレに行く暇もないくらいだが、このサービスをずっと続けて、地元からスカイツリーを盛り上げていきたい」と笑顔で話す。