特集

すみだ経済新聞インタビュー
「すみだ活性化のキーパーソンが語る墨田と私」
中村伊知哉 iU(情報経営イノベーション専門職大学) 学長(前編)

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すみだ経済新聞では、「ひと つながる 墨田区」を象徴する企画として「すみだ活性化のキーパーソンが語る墨田と私」と題し、墨田区で活躍する各界の皆様をゲストに迎え、リレー方式で話をお聞きしていきます。

第4回目のゲストは中村伊知哉 iU学長


 



トピック1:自己紹介と過去の経歴


すみだ経済新聞:
まずは中村学長ご自身についてお伺いしたいと思います。これまでのご経験や学びについて簡単に教えていただけますか?学長がどんな方なのかを知りたいと思いまして。

中村学長:
うーん、どう説明すればいいでしょうね(笑)。自分のことを語るのってあまり得意じゃなくて。

すみだ経済新聞:
周りの方からはどんな風に見られていると思われますか?

中村学長:
そうですね、個性的とか、何か新しいものを始める人だと思われているんじゃないでしょうか。

すみだ経済新聞:
なるほど。中村学長は京都ご出身と伺っていますが、そうですよね?

中村学長:
はい、京都出身です。

すみだ経済新聞:

学長ご自身を「こんな人間です」と一言で表すなら?

中村学長:
「ゲームと音楽が好きで学長をやっている人」でしょうか(笑)。実際、半分はゲームと音楽の影響でここに至った感じです。

すみだ経済新聞:
ゲームと音楽ですか!それはユニークですね。他にも影響を受けたものや幼少期に夢中になったことなどがあれば教えていただけますか?

中村学長:
幼少期からずっと漫画やアニメ、音楽に囲まれて育ちましたね。特に音楽は自分の価値観に大きな影響を与えています。

すみだ経済新聞:
例えば、具体的にどの作品やジャンルが影響を与えたと思いますか?

中村学長:
一つに絞るのは難しいんですけど、強いて言えばパンクロックですね。実は若い頃はロックミュージシャンになろうと思っていたんです。仲間たちの多くはプロになりましたが、私は挫折して別の道に進むことになりました。

すみだ経済新聞:
ミュージシャンから官僚、そして学長へ。すごく多彩な経歴ですね。

中村学長:
そうかもしれませんね。他に似たような人はいないと思います(笑)。


トピック2:地域性と大学設立の背景


すみだ経済新聞:
学長は京都出身で、これまで京都、東京、ボストンなど様々な場所で生活されてきたと伺いました。それぞれの土地で何か印象に残っていることはありますか?

中村学長:
そうですね。京都はもちろん故郷ですが、東京とボストンにも深い思い入れがあります。ボストンは特にハーバード大学やMITがある教育の街という印象が強いですね。京都も東京もボストンも、それぞれが独特の文化を持ちながら、教育や革新に熱心な土地だと感じています。

すみだ経済新聞:
そのような土地での経験が、現在の教育理念や取り組みに影響を与えているのでしょうか?

中村学長:
大きいと思いますね。ボストンのように、教育が地域全体を引っ張る存在であり、文化の中心になっている街は理想的だと感じます。それを東京、特に墨田区で実現したいと考えました。

すみだ経済新聞:
墨田区で大学を設立された理由について教えてください。他にも候補地があったのではないかと思いますが、最終的に墨田区を選んだのはなぜですか?

中村学長:
もともと、「デジタルで世の中を変える大学」を東京に作りたいと考えていました。東京の中で最も可能性を感じたのが墨田区だったんです。墨田区は大学がなく、区長が「ぜひ来てほしい」と積極的に声をかけてくださったのも大きな要因でした。

すみだ経済新聞:
確かに墨田区と大学というイメージはなかなか結びつきにくいですが、それだけに新しい試みとして期待されていますね。実際にここに大学を設立してみて、いかがですか?

中村学長:
結果として大正解でした。この地域の方々が非常に協力的で、新しいものを受け入れる柔軟性があります。例えば、港区や文京区のような場所だったら、地域との一体感をここまで感じることは難しかったかもしれません。

すみだ経済新聞:
墨田区の地域性が大学の運営にも良い影響を与えているのですね。

中村学長:
ええ、墨田区という土地柄が大学の成長にとって非常に大きなプラスになっています。



トピック3:教育理念と学生への期待


すみだ経済新聞:
学長が掲げる教育理念について詳しく教えてください。この大学ではどのような人材を育成したいと考えていますか?

中村学長:
この大学では「変化を楽しむ力」を育てたいと思っています。これからの社会は変化が激しく、予測が難しい時代に突入します。その中で、自分で考え行動し、新しい価値を生み出せる人材を育てることが重要だと考えています。

すみだ経済新聞:
「変化を楽しむ力」というのは非常に魅力的な理念ですね。それを具体的に実現するためのカリキュラムや取り組みについて教えていただけますか?

中村学長:
例えば、プロジェクト型学習を重視しています。学生が実際にプロジェクトを立ち上げ、運営する中で、多くの課題に直面し、それを解決する力を養います。また、起業を推奨しており、学生全員が起業に挑戦することを目標に掲げています。

すみだ経済新聞:
全員起業というのは前例が少ない試みですね。学生たちはどのように反応していますか?

中村学長:
最初は戸惑いもあるかもしれませんが、多くの学生が挑戦を楽しんでいます。「自分で何かを作り出す」という経験は、就職活動やその後のキャリアにも大きな力になると信じています。

すみだ経済新聞:
確かに、そのような経験は学生にとって貴重ですね。学長が学生たちに特に期待していることは何でしょうか?

中村学長:
一言で言えば、「未来を創る力」を持ってほしいということです。現状に満足せず、新しい道を切り開くことを恐れない姿勢を身につけてほしいですね。


トピック4:eスポーツとデジタル教育


すみだ経済新聞:
eスポーツ専攻の立ち上げを検討されていると伺いましたが、具体的にどのような内容になるのでしょうか?

中村学長:
はい、来年度から「eスポーツコース」を正式に開始します。このコースでは、eスポーツに関連する技術やビジネススキルを学びながら、実際にインターンシップを通じて業界の中で経験を積むことができます。

すみだ経済新聞:
eスポーツに特化したカリキュラムというのは、他の大学にはあまり例がないですよね。どのような目的でこの専攻を設けたのですか?

中村学長:
eスポーツは、これからさらに成長する分野ですし、若い世代にとって大きな可能性を秘めています。この専攻では、単にプレイヤーを育てるのではなく、eスポーツをビジネスとして捉えられる人材を育成することを目指しています。

すみだ経済新聞:
なるほど。学長が言うように、プレイヤーだけでなく、eスポーツ業界全体を支える人材が必要とされる時代ですね。他に、このコースの特徴的なポイントはありますか?

中村学長:
例えば、eスポーツ専攻の学生全員が業界内でのインターンを経験する仕組みを取り入れています。また、プロジェクト型学習を重視しており、学生自身が起業にチャレンジできる環境を整えています。世界初の試みだと思います。

すみだ経済新聞:
それは非常に革新的ですね。eスポーツ業界全体を活性化する原動力になりそうです。この専攻が学生たちに与える影響について、どのようにお考えですか?

中村学長:
一言で言えば、夢を形にする力を身につけてもらいたいですね。eスポーツに限らず、デジタル技術やイノベーションを駆使して、自分たちの可能性を広げてほしいと思っています。


インタビュー:長尾 円
撮影:宮脇 恒

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