特集

すみだ経済新聞インタビュー
「すみだ活性化のキーパーソンが語る墨田と私」
中村伊知哉 iU情報経営イノベーション専門職大学 学長(後編)

  • 0

  •  



トピック5:地域住民との連携とイベント計画


すみだ経済新聞:
墨田区の地域住民との連携についてお伺いします。この大学が地域の方々と一緒に取り組んでいること、または今後予定していることについて教えてください。

中村学長:
地域との連携は大学設立当初から大きなテーマでした。例えば、フリーマーケットやフェスティバルを大学の敷地内で開催したいと考えています。大学を地域住民が気軽に訪れる「みんなの場所」にすることが目標です。

すみだ経済新聞:
「みんなの場所」というのは素敵なコンセプトですね。具体的にどのように地域住民の方々を巻き込んでいく予定ですか?

中村学長:
地域の商店街の方々に大学の食堂で特別メニューを提供していただく企画や、相撲部屋と連携して「ちゃんこ教室」を開くなど、墨田区ならではの特色を活かした取り組みを進めています。また、地域の方々が自由に使えるスペースを増やし、大学のイベントを通じて住民の皆さんと交流する場を作りたいです。

すみだ経済新聞:
それは楽しそうですね。地域の方々との交流を通じて、どのような効果を期待していますか?

中村学長:
地域全体の活性化と、新しいつながりが生まれることを期待しています。また、学生たちも地域の方々との交流を通じて学ぶことが多いでしょう。大学が地域とともに成長することで、墨田区全体がさらに魅力的になると信じています。

すみだ経済新聞:
大学が地域の一部として機能することで、住民の皆さんにとっても大きな価値が生まれる気がします。

中村学長:
その通りです。大学が地域社会にとって欠かせない存在になれるよう、今後も努力を続けていきます。


トピック6:若者の教育と将来の大学のあり方


すみだ経済新聞:
これからの大学のあり方についてお伺いします。特に若者の教育は、今後どのように変わっていくと思われますか?

中村学長:
これからの大学は「知識を教える場」ではなく、「価値を生み出す場」になるべきだと考えています。AIの進化によって、ほとんどの教育コンテンツはYouTubeやAI家庭教師で代替可能になります。その中で大学が提供する価値は、人と人が出会い、共に学び、行動する場を作ることにシフトしていくと思います。

すみだ経済新聞:
それは非常に未来志向ですね。AIが教育に与える影響について、どのようにお考えですか?

中村学長:
AIの影響で、多くの大学が淘汰される可能性があります。ですが、その中で生き残る大学は、単なる知識の伝達ではなく、創造性や実践力を育む場を提供する大学だと思います。たとえば、プロジェクト型学習や産学連携を通じた実践的な学びの環境を作ることが求められます。

すみだ経済新聞:
具体的にこの大学で取り組んでいることを教えていただけますか?

中村学長:
例えば、学生全員が起業に挑戦するカリキュラムを設けています。起業は成功も失敗も含めて、非常に多くの学びを得られる挑戦です。また、年齢や国籍に関係なく、一生学び続けられる環境を作りたいと考えています。

すみだ経済新聞:
そのような学びの場があれば、若者だけでなく、社会人やシニア世代にとっても大きな価値がありそうですね。

中村学長:
その通りです。大学は18歳から22歳までのためだけの場ではなく、一生学び続けられる「生涯学習の場」になるべきだと考えています。



トピック7:大学の国際化と多様性


すみだ経済新聞:
この大学が目指している国際化についてお聞かせください。特に留学生の受け入れや多様性を重視していると伺いましたが、どのような取り組みをされていますか?

中村学長:
将来的には学生の半分を留学生にしたいと考えています。それによって、大学が国際的な交流の拠点となり、多様な文化や価値観が混ざり合う場になることを目指しています。

すみだ経済新聞:
留学生が増えることで、大学全体にどのような変化が期待できると思われますか?

中村学長:
多文化が交じり合う環境は、新しい視点やアイデアを生み出す原動力になります。また、日本人学生にとっても、異なるバックグラウンドを持つ人々と交流することで、グローバルな視野を養う貴重な機会になるでしょう。

すみだ経済新聞:
墨田区という地域で国際化を進めることについて、どのような意義を感じていますか?

中村学長:
墨田区は伝統文化と現代的な要素が共存する特別な場所です。ここで国際化を進めることで、地域の魅力をさらに引き出し、世界に向けて発信することができます。また、地域の方々と留学生が一緒に何かを作り上げることで、真の多文化共生が実現すると思います。

すみだ経済新聞:
非常に興味深いですね。留学生との連携や地域活動で、具体的に計画されていることはありますか?

中村学長:
地域のお祭りやイベントに留学生が積極的に参加し、地元の文化を学びながら発信する取り組みを考えています。また、留学生が自国の文化やビジネスを紹介する場を作ることで、相互に学び合う環境を整えたいと思っています。

すみだ経済新聞:
墨田区から世界へ発信する取り組み、非常に期待しています。多文化共生が形になる日が楽しみです。

中村学長:
ありがとうございます。これからの社会では、多様性を受け入れ、それを力に変えることがますます重要になると思います。この大学がそのモデルケースになれるよう努力したいですね。


トピック8:環境と施設の活用


すみだ経済新聞:
この大学のキャンパスや施設について伺います。墨田区という立地ならではの特色や、地域に開かれた環境作りについてどのような工夫をされていますか?

中村学長:
この大学は「地域に開かれたキャンパス」をテーマにしています。例えば、周囲に塀を設けていません。誰でも気軽に立ち寄れるような開放的な環境にしたかったんです。

すみだ経済新聞:
塀がない大学というのは珍しいですね。その発想はどこから来たのですか?

中村学長:
最初に仕事をしたボストンの大学がそのような形でした。地域住民と大学が自然に交わり、共存している様子に感銘を受けたんです。墨田区でも同じように、地域の方々が芝生でピクニックをしたり、イベントを開催したりできる場所を作りたかったんです。

すみだ経済新聞:
地域住民が自由に使えるスペースを提供するというのは素晴らしいですね。他にも特に力を入れている施設や取り組みはありますか?

中村学長:
例えば、壁を使った映画上映や、地域の方々と共同で使えるキッチン施設を検討しています。また、子どもたちが遊びに来られる場所としても活用したいですね。大学が地域コミュニティの一部として機能するよう心がけています。

すみだ経済新聞:
非常に地域密着型の取り組みですね。大学の施設を地域と共有することで、どのような効果を期待していますか?

中村学長:
大学が地域の「場」として機能することで、地域の活性化や住民同士の新しいつながりが生まれることを期待しています。また、学生たちも地域との関わりを通じて、多くのことを学び取ることができるでしょう。

すみだ経済新聞:
大学と地域が一体となることで、墨田区がさらに魅力的な場所になりますね。

中村学長:
そうなれば嬉しいです。これからも地域の方々と一緒に新しい取り組みを作り上げていきたいと思います。



トピック9:編集者との連携と地域メディアの役割


すみだ経済新聞:
この大学の活動を地域に発信していくうえで、メディアの役割についてどのようにお考えですか?また、すみだ経済新聞としてどのように関わることができるか、ご意見をお聞きしたいです。

中村学長:
この大学では「大学丸ごとメディア」を目指しています。学生や客員教授など、関わる全ての人が何らかの形で情報を発信し、地域や世界とつながる仕組みを作りたいと考えています。すみだ経済新聞のような地域メディアと連携することで、より多くの方にその魅力を届けられると思います。

すみだ経済新聞:
「大学丸ごとメディア」というのは面白いですね。具体的にどのような形で情報を発信されているのですか?

中村学長:
学生が自ら取材や記事執筆を行うプロジェクトがあります。また、イベントや研究の成果をSNSやYouTubeなどを通じて発信しています。さらに、地域メディアの方々と共同で記事を作ったり、地域の課題を取り上げる特集を組んだりすることも視野に入れています。

すみだ経済新聞:
それは私たちもぜひ参加したいプロジェクトですね。地域メディアとして、この大学にどのように関わるべきだと思われますか?

中村学長:
一緒にイベントを企画したり、大学発のコンテンツを地域メディアとして広めていただけると嬉しいです。また、地域の企業や住民の方々と大学をつなぐハブのような役割も期待しています。大学と地域メディアが協力することで、墨田区全体を盛り上げていけると思います。

すみだ経済新聞:
確かにその連携は大きな力になりますね。私たちも積極的に協力させていただきたいと思います。

中村学長:
ありがとうございます。この大学が地域の中でさらに役立つ存在になれるよう、引き続きよろしくお願いいたします。

すみだ経済新聞:
こちらこそ。今後も学長のお話を伺いながら、地域の魅力を発信していきたいと思います。

インタビュー:長尾 円
撮影:宮脇 恒

中村学長 インタビュー記事前編へ

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース