特集

「すみだ活性化のキーパーソンが語る墨田と私」特別座談会
牧野裕美子さん・森下八尋さん・皆川未来さん(後編)(特別編)

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【後編】10年後のバイオトープ—— 個の活動が「街の仕組み」へ

■ 04:10月1日、ぬっく株式会社の設立
長尾: 収録日(9/8)から間もなく、森下さんは「ぬっく株式会社」を設立されます。この決断の裏にはどのような想いがあるのでしょうか。

森下: 私は、大人も子どもが弱みを見せられたり、自分らしくいられたりする「小さな居場所(ヌーク)」を大切にしたいと思っています。そのために、対話を通じて、親子関係をフラットにしたり、企業や地域で「しあわせに働き しあわせに生きる」を感じられる場を作っていきたい。「知っているけれどできない」という葛藤を、科学的知見と対話で一歩前に進めるきっかけにしたいんです。

■ 05:いつか「3人で」—— 交差する未来予想図
長尾: 今はそれぞれバラバラに活動されていますが、いつか3人で一緒にプロジェクトをやる、というイメージはありますか?

皆川さんが主催する、遊びながら多世代で防災を学ぶイベント「あそ防災」。

皆川: ぜひやりたいです!今はそれぞれ自分の活動で精一杯ですけど、牧野さんのデザイン力や森下さんの仕組み作り、いつか一つの大きなうねりとして一緒に何かを形にできたら最高ですよね。

牧野:私は横のつながりだけでなく、縦のつながり(世代をこえてつながっていくこと)も創りたいと思っています。今の「子ども店長」イベントも私が主導しなくても、今のメンバーが次の世代の教育を担う。次は中高生が、その次は今の子どもたちが主体となる。私が卒業しても街が自律的に動く循環を作りたい。

長尾:「バイオトープ(生態系)」みたいですね。

森下: その生態系の一部として、誰もがフラットに関われる「器」としての組織を、皆さんと一緒に描いていきたいですね。

皆川: 私の名前は「未来(みき)」と読みます。10年後、今の私たちの活動に参加した人が「街を良くしたい」と動き出す未来へバトンを繋ぐ。それが私なりの「徳積み」だと思っています。

【特別編】2026年1月、あの日の熱量は「共創」のフェーズへ
(文:すみだ経済新聞 編集長 宮脇恒)

2025年9月の座談会から数ヶ月が経った。現在、2026年1月。あの日、3人が語っていた「いつか一緒に」という言葉は、驚くべきスピードで現実のものとなっている。

躍進するそれぞれのフィールド

森下さんが実行委員長を務める「すみだ子育てメッセ」
9月末、森下八尋さんは「すみだ子育てメッセ」の実行委員長として、多くのパパ・ママを巻き込んだイベントを大成功に導いた。その熱量は10月に設立された「ぬっく」へと引き継がれている。

11月には、牧野裕美子さんが「すみだファミリーフェスティバル2025秋」」を開催。現場を五感で楽しませる彼女のデザイン力はさらなるファンを増やし、3月14日、15日に錦糸公園で開催予定の「子ども店長イベント」への期待は高まっている。

両国の有志で開催している「すみだファミリーフェスティバル」

そして皆川未来さん。彼女は今、「あそ防災」を盛り上げる中心人物として、相変わらず現場を駆け抜けている。

「個」から「結びつき」へ。2026年1月の景色
現在の彼女たちは、座談会での予言通り、驚くほどシームレスに重なり合っている。

まず、森下さんが墨田区と開催している保育園向けの「包括的性教育」のプロジェクトを、皆川さんがサポートしている姿がある。価値を言語化する森下さんと保育士経験のある皆川さんの化学変化に期待したい。

さらに、11月から1月まで開催されている東武鉄道株式会社主催の「東京下町回遊 ~竹あかり~」の中で開催される「竹あかりマルシェ」。多賀さんが企画し、牧野さんが協力しているマルシェに皆川さんの出店も決まっている。


森下さんの動きも止まらない。子育てメッセの前実行委員長・荘司美幸さんと共に、新たな実験的取り組みをスタートさせる。荘司さんが経営する「酒場 はりや」を舞台に、アイドルタイムを活用した「昼スナック」をスタート予定だ。世代や立場を超えた「対話」を、日常に近い場所で実装しようとする彼女らしい試みだ。

2026年1月28日には、森下さんと牧野さんのVoicy対談も予定されているという。

あの日、「何かやりたいね」と笑い合っていた3人のエネルギーは、今や墨田のまちの至る所で、確かな「事業」と「文化」になって響いている。

(取材・構成:長尾円 / 編集:宮脇恒 / 監修:多賀健太郎)

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