特集

すみだ経済新聞インタビュー
「すみだ活性化のキーパーソンが語る墨田と私」
山口亮さん(後編)

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【テーマ4 墨田区の魅力と課題について教えてください】

―墨田区に実際に住んでみて魅力的だなと思うところや、他の区と比べて、こんなところがちょっと変わっているなと思うようなことを教えてください

僕もいろんな地域で活動してきましたけど、活動がしやすい地域ってあるんですよね。墨田区はそういうとこと比べても格段に活動している人が多いなっていう気はしますね。多彩でユニークな活動をしている人たちがすごく多いなと思っていて。

特に京島辺りですかね。やっぱり京島は、さっき話をした「すみだ向島EXPO」というアートフェスをきっかけに、この墨田地域を初めて知り、そこから興味を持って住み着いちゃったみたいな人がたくさんいるんですよ。

―それはユニークですね

電気湯のちょっと先の交差点、元々空き地だったところに、いま屋台がたくさんあったりします。それも、海野貴彦さんというアーティストがそこに電気窯を置いていて、そこで陶芸とかをやっているんですね。今までただ空き地だったところに、そういう人がいることによって、何か変な空間が生まれちゃうわけですよね。そういうことが結構、いろんなところで起きていてそれはすごくユニークだなと思っています。

※こちらは、地主さんのご厚意で場所をご提供頂いている期間限定の活動で、2024年9月で終了する予定です

―まだまだ新しい変化が墨田区だとありそうだなと

めちゃくちゃあると思いますね。普通にいくと、企業が建売の家を建てちゃったりとか、どんどんマンションが増えていったりすると思うんですけど。京島辺りはそれを何とか食い止めようという人たちがたくさんいて、この長屋をどう残していくとかをみんなで考えているわけです。そのまちの個性を残していくことは非常に重要だなと思っていて、やっぱり市民が積極的に声をあげるみたいなところが墨田にはあるのかなという気はしています。

―ある種、ニューヨークでいうところのSOHOみたいな感じですかね

そうですね。ジェントリフィケーションという問題がやっぱりどこでも起きていて。結局、魅力的になると、今まで関わってなかった人たちがそこに集まり、地価が一気に上がり、コミュニティが崩れてしまうみたいなことが起こり得ます。

―代官山みたいな感じ

確かにそうですよね、代官山も文化的な場所ではありましたよね。ここら辺りも浅草の観音裏と言われているあたりが、もうマンションだらけになっているみたいな話はあります。

もちろん地価が上がってね、そこら辺りの地主さんは大喜びなのかもしれないですけど、先住民からするとコミュニティがガラッと変わってしまう。そういうところが増えると地域と関わる人が減ってしまうので、今のこの地域の良さをどこまで保ちつつ、そういう新しい人たちを受け入れていけるかみたいなことかと思うんですけどね。

ここら辺りは、そういう意味でも昔からのお祭りとか、地域のレガシーなコミュニティも盛んですよね。ただ、そこにEXPOみたいな新しいものがやってくるとハレーションが起きるじゃないですか。祭りの睦とか年番っていう仕組みが墨田にあるんですけど、EXPOの人たちとかは、そういうところに自分たちから入っていったりするんですね。

今まである地域のコミュニティも大切にしつつ、新しいコミュニティをそこに融合させていくみたいなことを京島の辺りの人はやろうとしていますよね。

ただ何かそういう意味でも地域によってすごく差があるというか、南側に行くとまたちょっと全然違う雰囲気もあります。

―今後、地域コミュニティあるがゆえの何か課題はありますか?

さっき言った、ジェントリフィケーションみたいな問題はやっぱりこれから避けづらいものはあると思うんですよね。特にスカイツリーができたことで、押上周辺が注目されればされるほど、マンションはどんどん増やそうとするだろうしね。

あとはなんですかね。墨田区はこういう町なんだってことを積極的に謳っていく必要あると思いますね。

それこそ観音裏がなぜ今、そういう寂しい町になっちゃったかというと、結局のところ住環境だけであそこを選ぶ人たちがいるわけですよね。都心へのアクセスがいいとか、買い物がしやすいとか、そういう理由だけであそこを選ぶ人たちがいる。そうじゃなくて、「ここはこういう町なんだ。こういう人に住んで欲しいんだ」という積極的な情報発信も重要ですね。

アイデンティティですかね。やっぱりそういうのをもっと強く打ち出していくべきなんだろうなと思いますけどね。

―「こんな人にここは向いているよ」ってもしも山口さんがすすめるとしたら、どんな人が墨田区に向いていますか?

やっぱり何か地域でいろいろと関わっていきたい人たちじゃないですかね。もちろん普通のお祭りとかもそうですけど、いろんなイベントが毎週あって、そういったとこで積極的に関わっていきたいって人にはいいと思います。

居場所も多くて、一人暮らしの人にも優しいと思います。

―最後に山口さん個人について教えてください。普段心がけていることや大切にしている言葉や価値観はありますか?

「自由」ってことですね。自分は今、基本的にはやりたいことしかやらないようにしています。ただ、それだけじゃなくて、固定的な思い込みとか概念にとらわれないみたいなことも含めての自由ですね。結構あるじゃないですか、男とか女とか、大人と子どもってこういうものでしょ、学校や仕事ってこういうものでしょみたいなものって。

そういう決めつけをしない方がもっと自由になれるよね、みたいなことは思っていますね。

―編集長から質問です。何かすみだ経済新聞に今後期待することや、何かメッセージがありましたら幸いです。

僕も地域のメディアってすごく面白いなと思っていて、そういった活動はあった方がいいなと思っています。でも運営が大変という話もよく聞きます。オンラインメディアって情報も早いし、いろいろ可能性があるかなと思うので、本当に頑張ってもらえるといいなと思ってます。

―ありがとうございます。どんなことが載っていたらという情報はありますか?

イベント等の情報は、開催の情報もレポートも含めてやっぱりあった方がいいなと思っています。でもそれ以外にも居場所づくりとか、地域の活動っていろいろあると思うんですよね。そういった活動が意外と知られないっていうのが、どこにでもある課題だなと思っていて。さっきも言ったように、本当にいろんな団体がいろんな活動しているんで、そういう情報がどんどん寄せられて、地域の方たちに伝わっていくといいんじゃないかなと思ってます。

―本日は貴重なお話をありがとうございました

インタビュー:長尾 円
撮影:宮脇 恒

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