AIでは代替できない人間の信頼関係をテーマにした講座「AI時代に必要な人間力―響く質問と響かない質問」が10月12日、墨田区産業共創施設SIC(墨田区錦糸4)で開かれた。主催はシャノワ(すみだ経済新聞)。
講師は企業コミュニケーション戦略コーチでラプラス社長の長尾円さん。長尾さんは、JAL国際線客室乗務員として約10年間乗務後、人材育成分野に転身。企業研修やリーダー育成、キャリア支援を20年以上担当し、企業の採用・教育・販売の現場に精通する。質問をベースにした独自の指導法で、組織力向上や個人の成長を支援してきた。航空会社への客室乗務員合格者は150人を超える。長尾さんは、すみだ経済新聞でインタビュアーとしても活動しており、言葉を通じて人の魅力を引き出す手腕に定評がある。
同講座は「すみだビジネスラボ」シリーズの第2回として実施。法人研修の現場で高い評価を得てきた「質問力」に焦点を当て、受講者が実践を通して体感できるよう構成した。
冒頭で長尾さんは「21年目の出発の日にセミナーを開催できて大変光栄。新しい学びの形を墨田区で共有できるのがうれしい」とあいさつ。ラプラスは10月11日に設立20周年を迎えたばかりで、節目の翌日に行われた講座となった。
当日は、質問を軸にした「La plus式タイプ診断」を通じて、信頼を築くコミュニケーションを学んだ。講座には会社員や経営者、個人事業主など10人が参加。タイプ診断では、受講者のコミュニケーション傾向を4タイプ(分析派・現実派・社交派・友好派)に分類し、「自分の当たり前は相手にとっての非常識」という視点から、タイプに応じた質問の仕方や関わり方を体感した。
会場ではうなずきながらメモを取る姿が多く見られ、タイプ診断を通して自分自身を見つめ直す受講者の姿が見られた。
講義の中で長尾さんは、すみだ経済新聞の宮脇恒編集長とのやり取りを例に挙げた。「宮脇さんは分析派で丁寧に説明しようとする。一方、私は現実派で結論を早く知りたいから、つい『それで?』と思ってしまう」と笑いながら語り、会場の共感を誘った。「どちらが正しいということではなく、お互いのタイプを理解していれば、ミスコミュニケーションは防げる」とも。
ワークでは「伝わらなかった会話」を題材にペアで質問を交わし、「響く質問」と「響かない質問」の違いを体感。「その時、相手はどんな気持ちだったと思うか」「もう一度同じ状況なら、どんな質問をしてみたいか」といったやりとりが行われた。長尾さんは「質問は相手を変えるものではなく、心を動かすきっかけ。信頼があってこそ、人は行動できる」と話した。
受講者からは「タイプ別の説明が分かりやすく、職場での人間関係にすぐ生かせそう」「自分と違うタイプを理解することで、質問の質が変わった」といった声が上がった。また「自分のタイプを知ることで、相手のタイプを想定しながら質問を考えられた」「仕事でクライアントの抽象的な要望を具体化する場面にも役立つと感じた」といった感想も聞かれた。
第3回の講座は「ユーチューブ」をテーマに11月22日に開催する。