「地域の場づくり」をテーマにしたトークイベント「五彩往来・逢(あ)い語らい」が11月25日、「たてよんひろば」(墨田区立川4)で行われた。来年秋に墨田区全域で開催される「すみだ五彩の芸術祭」に向け、地域の現場で活動する人の経験を聞きながら学びを深める連続企画の一つ。
会場入り口にはあ「芸術祭の話がしたいらしいよ」の吹き出しが掲げられた
会場の「たてよんひろば(byネウボーノ)」は11月15日にオープンした民地の広場。当日は屋外での開催となり、登壇者と参加者が近い距離で語り合う雰囲気となった。会場には「芸術祭の話がしたいらしいよ」と書かれた吹き出し型の看板も掲出した。
この日は、菊川・立川エリアで活動する4人が登壇。前半では「墨田区で活動するときの良さ」をテーマに意見を共有。子どもの遊び場づくりを各地で展開する須藤昌俊さん(一般社団法人「SSK」代表理事)は「菊川・立川エリアで生まれ育った。北部エリアの鐘ヶ淵なども自転車で行けるコンパクトさが活動を後押ししている」と話した。大西正紀さん(グランドレベル クリエイティブディレクター)は「肩書に関係なく、人と人が自然につながれるのが墨田の特徴」と話し、「地面に近い場所に関係性が生まれやすい」と語った。
立川菊川エリアで歴史・文化の調査を続ける山田悟さん(立川菊川まちづくり研究会会長)は「地域が大きすぎないことで、人の動きや変化が把握しやすい」と指摘。菊川三丁目町会副会長の平澤龍一さんは「伝統がしっかり残り、地域活動を続けやすい土壌がある」と話した。
続いて「課題」については、須藤さんは「家賃の高さが、地元に戻りたい若い世代の壁になっている」と指摘。大西さんは「場は増えているが、どう開くかにはまだ課題がある」、山田さんは「コミュニティーの過疎化が進み、これまでの関係性が維持しづらくなっている」とし、平澤さんは「人口増に伴い住民構成が大きく変わった。ワンルーム住民にどう関わってもらうかが鍵」と課題を挙げた。
終盤「芸術祭終了後、どんなすみだになっていると良いか」をテーマに、それぞれがホワイトボードに記入して発表した。平澤さんは「新しく墨田に興味を持つ住民が増え、地域が活性化する姿」を、大西さんは「人と人の関係性が一人一人育まれている状態」を挙げた。須藤さんは「子どもの遊び場や体験の広がりが続いていくまち」を、山田さんは「地域の歴史と今の暮らしが自然につながる環境を望む」と、それぞれ記した。
参加者からは「距離が近いからこそ生まれる地域の魅力を再確認できた」「芸術祭が終わった後も続く活動の芽を育てたい」という声も聞かれた。
同企画は月1回ペースで開催し、芸術祭に向けて地域の視点を共有していくという。