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東京スカイツリーで落雪対策の説明会 冬季の取り組み公開

地上375メートルでスカイツリーの落雪対策説明会が行われた

地上375メートルでスカイツリーの落雪対策説明会が行われた

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 落雪対策に関する施設見学・説明会が12月4日、東京スカイツリー(墨田区押上1)で行われた。

スカイツリー地上375メートルからの曳舟方面の景色

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 同施設では、冬季に塔体やゲイン塔に付着した雪が落下するリスクが生じることから、近隣住民や来訪者の安全確保を目的に対策を講じている。今回は、報道機関に向けて現地の取り組みを公開し、対策の全体像を説明した。

 説明会は3部構成で行い、まず今冬の雪対策の概要と過去の落雪対応状況を紹介。落雪に伴う物損事故は2011(平成23)年度の竣工後から2024年度までに計27件発生しており、内容は近隣住宅の屋根や車の破損が中心で、人身事故は0件という。

 見学では実際に地上375メートル地点まで上がり、同地点で落雪対策の仕組みや作業工程について説明を受けた。説明の中心となったのは345メートル地点にある展望台屋根に該当する部分で、塔体に取り付ける仮設ネットや雪払い用器具について担当者が紹介。これまで検討を重ねたスイーパー、角度調整機能付きブラシ、小型洗浄機など計8種類の器具を状況に応じて使い分け、手作業で雪を払い落とす工程を説明した。

 当日の375メートル地点の気温は2度と低く、厳しい環境の中で落雪対策が行われていることが伝わる内容となった。

 塔体全体では、ゲイン塔部分の仮設ネット設置、降雪予測に基づく情報提供、液体封氷剤を併用した雪払い、歩道上部の仮設ネット設置などを実施しているほか、鉄骨表面温度を継続的に測定し、気象情報と併せて分析している。これにより、雪の付着状況や落雪の可能性を把握しながら対応を判断しているという。

 東京スカイツリータウン広報事務局の大江一彰さんは「気象変化のスピードが速く、状況を見極めながら迅速に判断する必要がある。安全に配慮しながら運営できるよう、今後も対策を見直していきたい」と話す。

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