買う

墨田区の出版社が「芥川賞」ドキュメント本-マニアの研究サイトから派生

1月24日発売、1,890円、バジリコ 刊。

1月24日発売、1,890円、バジリコ 刊。

  • 0

  •  

 錦糸町駅近くに本社を構える出版社「バジリコ」(墨田区江東橋3)の新刊本「芥川賞物語」が発売前からツイッターなどで話題を集めている。

[広告]

 同社は2001年3月設立。世界に実在する奇怪な生き物たちをイラスト付きで紹介した、早川いくをさんのベストセラー「へんないきもの」シリーズや、映画化もされたパリ在住のバンドデシネ(フランス語圏の漫画)作家マルジャン・サトラピさんの「ペルセポリス」シリーズの日本語版などの書籍で知られる。5年ほど前から現在の地に移転し、さまざまなジャンルで「よそから出ていないようなユニークな書籍の出版を目指している」と、社長の長廻(ながさこ)健太郎さん。

 同書は、日本で最も有名な純文学の賞についてその初回から第147回までの受賞作と候補作の選考過程にまつわるエピソードを網羅したドキュメンタリー本。作者の川口則弘さんはもともと、同じ文芸春秋社が主催する大衆文芸を対象とした「直木賞」の研究家で、2000年から非公式ホームページ「直木賞のすべて」を運営。2008年に同サイト内に開設したサブコンテンツ「芥川賞のすべて・のようなもの」が同書の母体になっている。

 同コンテンツでは1935(昭和10)年上半期の第1回からの候補作と受賞作の情報に加えて、各選考委員の候補作に対する評価やコメントなどを表形式でまとめ、選考の流れを読み解くことができる。75歳の黒田夏子さんが「abさんご」で受賞して大きな話題を呼んだ最新第148回についても、雑誌「文芸春秋」3月号掲載の選評をもとに更新される予定だという。長廻さんは「本書を企画した時にネットで川口さんのサイトを発見し、芥川賞についてここまで網羅的に研究しているマニアは他にいないと確信して執筆をお願いした」と話す。

 発売は1月24日。1,890円。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース