江戸東京博物館(墨田区横網1、TEL 03-3626-9974)で現在、開館20周年を記念する特別展「花開く 江戸の園芸」が開催されている。
ミュージアム・ショップではトートバッグやTシャツなど同展オリジナル商品も人気
同展は江戸という都市で展開した園芸と園芸文化を、浮世絵やびょうぶ、園芸書、刷り物などを通して紹介する、同館にとって初めての展覧会となる。
展示内容は全体で6つの章から構成。序章「プラントハンターの驚き」では今から約150年前、2度にわたって日本を訪れ「VISITS TO THE CAPITALS OF JAPAN AND CHINA,1863(邦題:幕末日本探訪記)」を執筆したイギリスの植物学者、ロバート・フォーチュンの言葉から、花を愛する日本の国民性や文化性、当時世界一の植木屋集積地帯だった染井村の壮観など、緑あふれる江戸の都市景観を紹介。
第1章「花と緑の行楽文化」では、本格的な園芸書「花壇地錦抄」を書いた染井村の植木屋、伊藤伊兵衛の事績、神社仏閣中心から民間庭園へと広がった名所巡りに見られる行楽文化のあり方、民間庭園から植木屋の経営する梅屋敷の誕生などを。第2章「植木鉢の普及と高まる園芸熱」では園芸文化のあり方に大きな変化をもたらした植木鉢とその草花など。第3章「武士の愛した不思議な植物たち」では武士たちが栽培に情熱を傾けた万年青(オモト)をはじめとする珍しい植物「奇品」をめぐる文化。第4章「江戸園芸三花-朝顔・花菖蒲(ハナショウブ)・菊」では江戸時代の人々が愛好してやまなかった三花について。終章「園芸文化の明治維新」ではバラを例に、江戸の園芸文化が近代化に直面しどのような変化を遂げていったのかを紹介する。
会期中、展示室内に設置した「巨大花絵巻」に折り紙の朝顔を貼って装飾するイベントや、「朝顔折り紙教室」「紋切り遊び教室-オリジナルうちわを作ろう!」などのワークショップも開く。
開館時間は9時30分~17時30分(土曜は19時30分まで)。月曜休館(8月12日は開館)。特別展専用券は、一般=800円、大学生・専門学校生=640円、小学生~高校生・65歳以上=400円。9月1日まで。