本所の「能勢妙見堂」(墨田区本所4)で2月15日、修行僧による恒例の「水ごり」が行われ、大勢の見物人やカメラマンが境内をにぎわせた。
同寺院はもともと能勢筑前守頼直の江戸屋敷だったところで、1774年に摂津国妙見山(大阪府豊能郡)から妙見大菩薩(だいぼさつ)の像を分祀(ぶんし)したのに始まる。幕末には勝海舟の父・小吉が息子の病気の回復を祈って水ごりした場所としても知られている。
毎年、釈迦(しゃか)の命日に行われる水ごりは「水行国祷会」と呼ばれ、天下太平を祈願するもの。日蓮(にちれん)宗の大本山である正中山法華経(ほけきょう)寺(千葉県市川市)で100日間の荒行を終えた15人の修行僧が2回に分かれて祈とうする。
この日の気温は13度(13時現在)。時折、雲の隙間から日差しがのぞいていたが、下帯姿の男たちが頭から冷水を何杯もかぶる姿は見る者を圧倒した。
台東区から見物に訪れたという島崎さんは「一昨年は雪の降る中で行われ見ているだけで震えそうになったが、毎年こちらまで身が引き締まる思いがして、終わった後に何ともすがすがしい気分になる」と話していた。