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すみだトリフォニーで大河テーマ曲コンサート 「どうする家康」など15曲

下野竜也さんと新日本フィルハーモニー交響楽団 写真提供:すみだトリフォニーホール

下野竜也さんと新日本フィルハーモニー交響楽団 写真提供:すみだトリフォニーホール

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 「下野竜也プレゼンツ! 音楽の魅力発見プロジェクト第10回 大河ドラマのテーマ曲 徹底解剖! その2」が8月11日、すみだトリフォニーホール(墨田区錦糸1)で開催された。主催は公益財団法人墨田区文化振興財団。

対談する池辺晋一郎さんと下野竜也さん 写真提供:すみだトリフォニーホール

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 音楽の魅力発見プロジェクトは指揮者の下野竜也さんが企画監修・指揮・解説を担当し、新日本フィルハーモニー交響楽団が演奏する同館オリジナル企画で、今回が10回目。「大河ドラマのテーマ曲 徹底解剖」は、2021年に開いた前回が好評だったことを受け第2弾として企画した。

 当日は、大島ミチルさん作曲の「天地人」(2009年)の演奏で幕開け。下野さんは「大河のテーマ曲は曲調がその時代の空気を感じさせる素晴らしい曲ばかり。たった2分半の間に、いろいろな作曲家が思いをかけた曲を楽しんでいただきたい」とあいさつ。曲間に作曲家とドラマの解説を織り交ぜながらテンポよく進行した。

 序盤は「花の生涯」(1963年)、「樅(もみ)ノ木は残った」(1970年)、「国盗り物語」(1973年)など重厚な曲が並んだ。「風と雲と虹と」(1976年)では、作曲の山本直純さんが指示したとされる「粘土を机にたたきつける音」を、下野さんの教え子で東京芸術大学音楽科1年の学生が担当するなど、ユニークな演奏も披露した。

 「草燃える」(1979年)演奏後、ゲストの池辺晋一郎さんが登場。池辺さんは冨田勲さんと並ぶ大河史上最多の5作品を担当してきた。大河テーマ曲の思い出について聞かれると、「テーマ曲の長さは基本2分半だが、その回の登場人物の多さによって、2分になったり3分になったりする。それを全て収録する」と裏話を披露。「一番大変だったのは、テーマ曲ではなく、ドラマ中の音響制作。ドラマのシーンと時間に合わせて全て曲や音を作り収録した。現在はドラマ内の曲は事前に録音したものを選んで挿入するが、昔はそうではなかったから大変だった」と振り返る。

 後半は、池辺さん作曲の「峠の群像」(1982年)、「元禄繚乱」(1999年)に続き、「山河燃ゆ」 (1984年)、「飛ぶが如(ごと)く」(1990年)など、昭和から平成にかけて放映されたテーマ曲を演奏し、参加者が聴き入っていた。

 終盤には、ピアノの独奏から入る「花の乱」(1994年)、バイオリンをフィーチャーした「秀吉」(1996年)、昨年放映された「鎌倉殿の13人」のテーマ曲が登場。勇壮な和太鼓とチェロの音律に合わせた演奏が終わると、ひときわ大きな拍手が起こった。下野さんはこれまで、「鎌倉殿の13人」を含む6作品のテーマ曲のレコーディングに参加してきた。

 その後、現在放映中の「どうする家康」のテーマ曲、アンコールでは「西郷どん」(2018年)を演奏し、コンサートを締めくくった。

 下野さんは「すみだトリフォニーホールからは、来年も開催していいと言われている。毎回、演奏する新日本フィルハーモニー交響楽団からは叱られそうな無茶な企画ばかりで申し訳ないが、来年も皆さんに楽しんでいただける企画を練っているので、ぜひご覧いただけたら」と呼びかける。

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