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墨田で子どもの体験奨学金「ハロカル」 体験格差解消に138プログラム

公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」の今井悠介さん

公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」の今井悠介さん

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 墨田区内の小学生を対象にした体験格差解消プログラム「ハロカルホリデーすみだ」が7月27日に始まった。主催は公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」。

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 リーマンショックや東日本大震災を経て2011(平成23)年、子どもの貧困・教育格差解消のために設立された同法人。現在、全国16都府県で、各地のNPOや自治体、地域などと連携しながら活動している。これまで、経済的困難を抱える家庭の子どもたちに、学校外の学習塾や習い事などの費用として利用できる「スタディクーポン」を提供し、子どもの学びの機会を保障してきた。

 同法人代表理事の今井悠介さんは「10年間の活動で見えた課題は『体験格差』。『多様な学びを全ての子どもに』というミッションで活動してきたが、クーポンの9割以上は『学習(塾など)』で利用されるなど、目標とする『体験』の機会を十分に届けてこられなかった。低所得層の約3分の1が直近の1年間、学校外の体験がゼロという状況。体験格差解消に向け、2021年から本格的な取り組みを始めたのが当プロジェクトの背景」と話す。

 ハロカルは「ハローカルチャー(文化・体験との出合い)」と「ハローローカル(地域の大人との出会い)」をかけ合わせた造語。経済的困難を抱える家庭の小学生に体験活動で利用できる「ハロカル奨学金(クーポン)」を提供し、子どもたちは「スポーツ、文化芸術活動などのクラブや教室」「キャンプなどの自然体験・職業体験」で使える。

 今井さんは「2023年度は墨田区を中心に58人が利用した。本年度は『まち全体が体験の場!』をコンセプトに、夏休みに墨田区の小学生1000人を対象としたトライアル事業を行う。1人当たり5,000円のクーポンを発行して、クラブや習い事の先生に限らず、地域の商店・施設・クリエーターなど、多様な人たちが138体験プログラムを立ち上げ、参画できる取り組みにする」と話す。

 今井さんは「賛同者や一緒に参加してくれる人が多いのが墨田の特徴。商店や町工場の皆さんも『墨田らしい体験を伝えたい』とユニークなアイデアを提案してくれる。結果的に人が人を巻き込む形で、仲間がどんどん増えていく構図になる。体験プログラムはまだ応募を受け付けているので参加してもらえれば」と呼びかける。

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