10年後の墨田区将来ビジョンについて小学生と語り合うイベント「すみだ『こども』タウンミーティング」が10月19日、「すみだリバーサイドホール」(墨田区吾妻橋1)で行われた。墨田区が主催し、一般社団法人「Spice」がワークショップ運営を担う。
同イベントは、区長と区民が対話の場の創出を目的とした意見交換を行う「すみだタウンミーティング」の子ども版。今回は、「みんなで話そう! ミライのすみだ」をテーマに、墨田区在住・在学の小学生5年生40人が参加して行われた。
イベントの背景について、同法人代表理事の郡司日奈乃さんは「『こども基本法』や『こども家庭庁』発足の流れの中で、まちづくりに子どもや若者の意見を反映させることが喫緊の課題として挙げられているが、これまでまちづくりに関わる大人が子どもや若者の意見を聞く回路がなかった。これを解決する方法として、当団体が開発した「まちの課題解決を行うオリジナルのゲーム『Express your own VIEWS』」(略称VIEWS=ビューズ)」を使ったイベントを墨田区に提案し、連携事業として当イベント開催の運びになった」と話す。
当日は山本亨墨田区長のあいさつの後、まず墨田区内の8つのシンボルをマスに埋めて、最初に縦または横にそろえグループを決めるゲーム「すみだで〇〇ビンゴ!」と「VIEWSゲーム体験」を行った。
続いて行われたワークショップでは、「墨田区の好きなところ」「墨田区にあったらいいと思う支援や取り組み」「もしも自分が墨田区長だったら、10年後のまちをどのようなまちにしたいか考えよう」などをテーマに、区長やグループの仲間と意見交換・発表を行った。
「墨田区の好きなところ」では、「公共の場が多い」「児童館があること」「世界に誇れる」などの意見が、「墨田区にあったらいいと思う支援や取り組み」では、「5人くらいで勉強できる場所が欲しい」「道をもっと広くしてほしい」「防災についてもっと学びたい」「外国人ともっと関われるようにしてほしい」などの意見が、「もしも自分が墨田区長だったら、10年後のまちをどのようなまちにしたいか考えよう」では、「差別がなく活気にあふれ、みんなが暮らしやすい街にする」「健康長寿の街にする」「子どもが他の学校の子たちとも好きなだけ遊べる街にしたい」などの意見が出された。
総括で山本区長は「自分が住む墨田の街をより良くするためにそれぞれが意見をしっかりまとめ、積極的に発言してくれてうれしい。未来の区長がここから生まれるかもしれないと思った。今日に限らず、街で私を見かけたら声をかけてほしい。また意見交換しましょう」とメッセージを送った。
郡司さんとと共に同法人の代表理事を務める小牧瞳さんは「まちづくりと聞くと少し縁遠く思う人もいるかもしれないが、実は『みんなでスイカの種飛ばし大会したいな』など、ちょっとした思いやアイデア一つ一つを実現していく過程がまちづくりだと思う。ビューズでアイデアをひねり出し、いつかそれが実現する種になれば」と期待を寄せる。
郡司さんは「2023年にこども基本法がスタートし、各自治体でこども若者の声を反映する取り組みが重視されてきている。ビューズのプレーで心がほぐれた後、大人の顔色を窺うことなく、子どもたちが実生活の中で感じている困り事を話してくれる姿が印象に残った。子どもたちが1人の区民としてまちづくりに参画していくのが当たり前の『子どもまんなか社会』を墨田区から作れれば」と意気込む。