
墨田区内各所を舞台に開催するアートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢(通称=すみゆめ)」の企画作品が6月30日に発表された。10回目の節目となる今回は9月1日~12月21日、公募による11企画と主催による2企画を行う。
すみゆめは、すみだ北斎美術館の開館をきっかけに2016(平成28)年に始まったアートプロジェクト。北斎や隅田川をテーマに、地域資源を生かしたアートを市民と共につくる取り組みとして、これまで地域に根ざした創作活動を展開してきた。
今回選ばれた公募企画は、42件の応募から選考された11件。銭湯「電気湯」で地域の暮らしを記録する展示や、「北斎漫画」を元にした舞踏作品、子どもらが隅田川をテーマに舞台を作るプロジェクトなど、ジャンルや対象も多岐にわたる。
そのほか、煙突清掃人を取材したドキュメンタリー映画の制作、宇宙の音に耳を澄ませるサウンドプロジェクト、常磐津とコンテンポラリーダンスの融合、弘前との縁を感じさせる「扇ねぷた」の運行など、地域と芸術の接点を掘り下げる企画が登場する。
昨年から設けた「東京鋲兼による特別支援枠」には、街なかに卓球台を設置し人々の交流を促す「PING PONG PLATZ 2025」を採択。区内2箇所に常設された、イタリア出身のアーティスト、ジャコモ・ザガネッリさんがデザインした台を活用し、まちの変化を可視化していく試みとなる。
主催事業は、盆踊りイベント「すみゆめ踊行列:SUMIBON」「どんどこ!巨大紙相撲~北斎すみゆめ場所」の2企画。
「すみゆめ踊行列:SUMIBON」は、北斎が描いた「踊行列図」に着想を得た盆踊りイベントで、10月25日に隅田公園そよ風ひろばで開催。ラッキィ池田さん、いとうせいこうさん、あがた森魚さんなど、多彩な出演者が登場する。
「どんどこ!巨大紙相撲」は、段ボールで作る身長180センチの力士たちが個性と技を競う企画。墨田区内4カ所でのワークショップを経て全32体の力士が完成し、12月21日に曳舟文化センターで「本場所」を開く。ユーチューブでのライブ配信やオンライン応援企画も予定している。
すみだ北斎美術館、すみだ生涯学習センター(ユートリヤ)、隅田公園そよ風ひろば、すみだパークギャラリーささや、すみだリバーサイドホール、Stranger、電気湯、曳舟文化センター、北條工務店となりなど、区内各所が会場となる。