
民謡や和楽器、着物などの伝統文化を親子で体験するイベント「すみだ子ども民謡フェス~みんなで楽しむ伝統文化~」が7月12日、立川児童館(墨田区立川1)で開催された。主催は民俗文化興隆協会(新宿区)。
当日は親子約60人が来場し、民謡の歌唱体験や和楽器の演奏、太神楽(だいかぐら)の実演・体験、民舞のワークショップなど、幅広いプログラムが行われた。子どもたちは日本の伝統文化に触れながら、笑顔で参加した。
13時に始まった前半のステージでは、「民謡民舞ふれあい体験ライブ」を開催。民謡歌手の小山みつなさん、小学6年の津軽三味線奏者の沢目真宙(まひろ)さん、太神楽師の鏡味味千代(かがみみちよ)さん、舞踊家の花柳與扇(よせん)さんが出演した。
小山さんは各地の民謡をメドレーで披露。続いて、沢目さんが三味線の力強い音色を響かせ、会場は大きな拍手に包まれた。鏡味さんによる傘の上で玉を回す技や「五階茶碗(わん)」などの妙技には、子どもたちから驚きの声が上がった。民舞の体験コーナーでは、花がさを手に取り、山形の「花笠(がさ)音頭」を全員で踊った。
後半は体験ブースを展開し、三味線や琵琶、箏(こと)などの和楽器演奏や、着物の着付け、太神楽の曲芸体験などを実施。子どもたちは講師と共に音を鳴らしたり、和装に身を包んで写真を撮ったりと、それぞれの体験を楽しんだ。
民謡体験では「もう一度歌いたい」と繰り返し挑戦する姿も。太神楽のブースでは、実際に傘を使って玉を回す体験に挑む子どもも多く、笑顔と歓声が絶えなかった。
同イベントは、文化庁の「伝統文化親子教室事業(地域展開型)」に採択された「すみだ伝統文化ふれあいプロジェクト」の一環。日常の中で伝統文化にふれる場づくりを目的に、地域と連携して行われた。
同協会の佐藤千春さんは「子どもたちがそれぞれの体験を通じて、日本文化の面白さを感じてくれたらうれしい。今後も地域と共に伝統文化を次の世代につなげていきたい」と話す。