
体を冷やす「陰性」の性質を持つ野菜と、体を温める「陽性」の性質を持つ野菜を鍋の中で重ね調和させる調理法「いんやん重ね煮」の料理教室が8月18日、日本酒サロン押上文庫(墨田区押上3)で行われた。だしを使わず野菜のうまみを引き出せるのが特徴だという。
会場となった押上文庫は、日本酒と器を中心に、伝統芸能や音楽の催しも開かれるサロン。食や文化を通じて人が集う場づくりに取り組んでおり、料理教室もその一環で企画している。
料理教室は今年2月に始め、月1回のペースで開催。7回目となる今回は、リピーター3人と初参加5人の計8人が参加した。初回から皆勤の男性参加者もいる。
料理教室は、講義、調理、実食(以上、各60分)で構成。講義では梅醤番茶をいただきながら学び、調理では「ひじき雑穀ごはん」「けんちん汁」「野菜の味噌煮」「もやしのナムル」「昔風みたらし団子」を作った。受講生たちは押上文庫の器を使い、初対面ながらも和やかな雰囲気で料理を楽しんだ。
講師は、調剤薬局で20年、漢方薬局で9年の経験を持つ薬剤師の門松ひとみさんが務めた。
主催する押上文庫の時田香菜さんは14歳から28歳まで摂食障害に悩んだ経験を持つ。重ね煮料理を知ってから体調が改善したことをきっかけに「同じように悩む人に知ってほしい」との思いで企画を続けている。
時田さんは「料理教室は毎月続けていきたい。次回は9月11日に開く。気軽に参加いただければ」と呼びかける。