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「観光と暮らし、どう共生?」 墨田でタウンミーティング

ワークショップでは山本亨区長に提案する場面も

ワークショップでは山本亨区長に提案する場面も

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 観光と暮らしの調和をテーマにした「すみだタウンミーティング『すみだの持続可能な観光とはなんだろう?』」が10月17日、すみだリバーサイドホール(墨田区役所併設)で開かれた。区民や観光関係者、外国人アンバサダーなど約30人が参加し、区長とともに持続可能な観光の在り方を話し合った。

あいさつする山本亨区長

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 墨田区では観光をまちづくりの柱と位置づける一方、観光客増加に伴う生活環境やマナーの課題も顕在化している。区民の声を行政に直接届ける場として開かれた今回は、「環境」「生活・文化」「社会・経済」の3テーマで5グループに分かれ、外国人アンバサダーを交えた多角的な議論が行われた。10代から高齢者まで幅広い年齢層の区民が参加し、世代を超えた意見が交わされた。

 各グループからは、ごみの分別ルールや観光マナー、民泊の運営体制、交通混雑、情報発信など幅広い課題が挙げられた。「観光客が捨てる場所に困っている」「分別ルールを多言語で示してほしい」といった生活面の声のほか、「ゴーカートの走行音が住宅街に響く」「歩道が狭く混雑する」といった環境面の課題も共有されたほか、「地域店舗の発信力を高めるため、Googleマップなどの活用支援を」「ハチ公のように、誰もが集まれるシンボルをつくりたい」という提案もあり、観光と暮らしの共存に向けた前向きな意見が相次いだ。

 意見発表を受け、一般社団法人墨田区観光協会の森山育子理事長が登壇。「住民の目線に立てていなかった部分に気づかされた」と語り、「2026~2030年度の中期計画では、住民と観光客が共生できるまち・すみだを目指すことを柱に掲げている」と説明した。

 森山さんは「民泊には地域と向き合うオーナーもいれば、そうでない事業者もいる。行政と協力しながらルールづくりと意識改革を進める必要がある」と述べ、多言語対応や情報発信の改善にも言及。「観光協会サイトは108言語に対応しているが、実際にはGoogleマップやSNSで情報を探す人が多い。地域店舗が正しく発信できる仕組みを整えることが大切」と話す。

 さらに「スカイツリー周辺はアジア圏、両国周辺は欧米圏と来訪者層が異なる。地域の個性を生かして観光の分散化を進めたい」と語り、区民と観光客がともに心地よく過ごせる環境づくりへの意欲を示した。

 最後に山本亨区長が「観光はまちづくりの基幹産業。量から質へ、そして区民とともに創る観光へ転換していくことが重要」と総括。「オーバーツーリズムを防ぎ、区民の生活と調和する仕組みを整えたい」と述べ、「民泊や交通、文化の課題を含め、持続可能な国際観光都市・すみだを実現していきたい」とまとめた。

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