野球に特化した屋内スポーツ複合施設「SPONOBA(スポノバ)」(墨田区横川1)が12月5日、グランドオープンした。元読売ジャイアンツ監督で野球解説者の高橋由伸さんが施設を監修した。オープニングイベントでは、高橋さんが最新鋭のバッティングレーンで「始打式」を披露し、施設の門出を祝った。
同施設は、スポーツトレーナーで社長の木村匡宏さんが掲げる「遊び学び、全てが力になる」という理念を基に整備したもの。木村さんはこれまで18年間、メジャーリーガーやWBC日本代表選手を含む延べ3300人以上のトップアスリートを支えてきたスポーツトレーナーで、身体特性に合わせて動作を最適化する独自メソッドを確立してきた。
施設は投球距離28.4メートル、打撃エリア83.5メートルで、プロ野球公式戦と同じ18.44メートルのブルペンや球種設定が可能な最新マシンを導入し、幼児からトップアスリートまでが利用できる環境を整えた。
出店場所に墨田区を選んだ背景には、地域と野球の深い結びつきがある。区は王貞治さんの出身地であり、師の荒川博さんと出会った地としても知られる。
施設監修を高橋さんに依頼したのも、木村さんにとって長い縁があるという。浪人中に観戦した早慶戦で高橋さんのホームランを目にし、野球を続けたいと強く感じた木村さんは、2浪の末に慶応義塾大学に進学し野球部に入部。高橋さんは同部の先輩に当たり、今回の監修はそのつながりから実現した。
建物は、水あめ工場、倉庫、演劇スタジオとして利用されてきた倉庫跡を改修。歴史ある空間を生かし、地域に根差した新たなスポーツ拠点として生まれ変わった。
オープニングイベントでは、木村さん、高橋さん、今季限りで千葉ロッテマリーンズを退団した荻野貴司さんが登壇し、子どものスポーツ環境や体の使い方についてトークセッションを行った。荻野さんは木村さんのメソッドによる7年間のサポートを振り返り、「自分に合った動きを知ることでけがが減り、パフォーマンスも上がった」と振り返った。
木村さんは「区とも連携しながら、墨田のスポーツの発展に寄与したい。野球をしていない方もトレーニングルームやメンテナンスルームを使っていただければ」と呼びかける。
営業時間は13時~21時。料金は、トライアルセッション=5,500円、パーソナルセッション=7,700円ほか。日曜定休。